スリー・バイ・スリー?スリー・オン・スリーじゃなかったっけ?

[ 2017年6月30日 14:36 ]

「3×3PREMIER.EXE」の開幕戦
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 3人制バスケットボールの20年東京五輪採用が決まった時、そう思った方も多いのではないだろうか。米国のストリート発祥の3対3のバスケットボール。日本でもNBA人気の高かった90年代には公園などの屋外にゴールが設置され、「3on3(スリー・オン・スリー)」の名称で、ちょっとした流行があった。以来、若者の間では人気が定着。国際バスケットボール連盟(FIBA)は07年に世界共通の公式ルールを定めて競技化を図った。この時から正式名称は「3×3(スリー・バイ・スリー)」となったのだ。

 5人制との大きな違いはプレーする人数と、半分になるコートのサイズ。攻撃の制限時間が12秒(5人制は24秒)、ボールは小さい6号(5人制は7号)など3人制特有のルールもあるが、ボールを持って3歩以上歩いてはいけないなどの基本ルールは5人制と同じだ。バスケットボールをプレーしたことのある人なら、人数が足りない時や遊び感覚で体を動かしたい時に「3on3」を経験したことはあるもの。5人制との競技性の違いはそれほど大きくない。

 14年に発足した国内リーグ「3×3PREMIER.EXE」の所属選手は現在37%が5人制との二刀流選手だ。だが、Bリーグのトップクラスの選手は昨季京都でプレーした元日本代表の岡田優介ら数人しかいない。3人制のシーズンは主に夏場で、冬場の5人制とはほぼ重ならないが、大事なオフ期間を削って3人制に挑戦しようと考えるトップ選手はごく一部。「けがのリスクもある。(Bリーグの)所属クラブの理解を得るのは難しい」(岡田)ことも、トップ選手の両立が進まない要因でもあった。

 五輪に挑戦するチャンスができたことで今後は流れが変わるかもしれない。岡田は「戦術が違うので慣れる時間が必要だが、1年ぐらい経験すれば戦える。今後は必ずBリーグの選手の力が必要になる」と国内のトップ選手たちに3人制への参加を訴える。

 バレーボールはインドアとビーチの両方プレーすることは日程においても競技性においてもほぼ不可能だ。ラグビーは15人制と7人制の競技性の違いは大きく、両立は簡単ではない。個人的にはバスケットボールの5人制と3人制の両立のハードルはバレーやラグビーよりも低いと思っている。今後は選手が3人制に挑戦しやすい環境整備も必要だ。せっかくの東京五輪の新種目。強いスリー・バイ・スリー日本代表が見たい。(柳田 博)

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2017年6月30日のニュース