【高野進の目】中盤以降への自信が生む サニブラウンの”脱力”走法

[ 2017年6月25日 07:45 ]

陸上日本選手権第2日 男子100m ( 2017年6月24日    大阪・ヤンマースタジアム長居 )

男子100m決勝、雨の中、サニブラウン(右)が飛び出し1着、多田修平(右から2人目)が2位、ケンブリッジ飛鳥(左)が3着、桐生祥秀は4着と遅れる
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 サニブラウンは中盤以降に絶対的な自信を持っている。それが“頑張り感”のない走りに表れている。焦らないから、下半身の滑らかな動きにつながっている。3本とも10秒0台をそろえた要因はそのあたりにある。

 これまで200メートルのイメージが強かったが、今回は100メートルでも強烈なインパクトを残した。特に後半の脚は圧巻。これまで私が見てきた海外選手の後半の伸びを感じる。つまり、9秒台の迫力があるということだ。

 世界選手権で準決勝を突破するためには9秒台を出さなくてはいけないが期待はできる。まだ高校を卒業したばかり。竹が伸びるように成長しているところだと思う。この勢いなら、セミファイナルで戦える準備ができると感じている。

 実は私は多田が勝つと思っていた。それぐらいアップでの動きが良かった。ケンブリッジは多田の速さを目の当たりにして、硬くなった節がある。桐生は飛躍を目指した年で、レースを詰め込んでいた。今回の結果が、彼の能力の全てではない。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

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2017年6月25日のニュース