ジョセフ日本 アイルランドに連敗 2年後W杯へ厳しい現実

[ 2017年6月25日 05:30 ]

ラグビーリポビタンDチャレンジカップ2017   アイルランド35-13日本 ( 2017年6月24日    東京・味の素スタジアム )

試合前、厳しい表情で練習を見つめるジョセフHC
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 世界ランキング11位の日本は同3位のアイルランドに13―35で敗れ、19年W杯1次リーグの前哨戦を2連敗で終えた。あらゆる面で1週間前の第1戦より向上したものの、相手に3トライ上回られる完敗。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、47)は及第点を与えたものの、自国開催のW杯で8強を目指す過程としては物足りない結果で、6月のテストマッチを1勝2敗で終えた。

 W杯8強への道のりの険しさを、改めて突きつけられた2連敗だった。1週間で得点差は28から22に、トライ差も4から3に縮まったが、2試合通じて勝利が見えた時間帯はないに等しかった。「全員が役割を遂行し、力を見せた場面もあった」と内容に及第点を与えたジョセフHCも、「両チームとも意気込み、実行力、遂行力は出せていたが、やはり(最高位の格付けである)ティア1の強豪国との差は明らかだった」と力の差を認めた。

 「死に物狂いで勝ちに行く気持ちがなかった」と切り捨てられた1週間前とは違い、プレーに貪欲さは表れた。ボール支配率は31%と低かったが、タックル数は128から184に大幅増。それでも1人目のタックラーで倒しきれず、引きずられながら突進を許す場面が多々あり、トライへとつなげられた。

 こうしたシーンをジョセフHCは「体格差は引き続きの課題」と振り返った。だがスーパーラグビー参戦で日本代表活動期間が限られる現状では、活動期間中に基礎練習やフィジカルトレーニングをやり込む時間はない。ゲーム主将を務めたリーチは「変えないといけないのは一人一人のスタンダード」と指摘したが、7月になればスーパーラグビーが再開され、それが終われば8月中旬に開幕するトップリーグへの準備が始まる。15年以前と比べ、代表クラスの選手が土台を築く時間は大幅に減少。秋の代表活動期間までに解決する見通しは立たない。

 ジョセフHCは「外国人で補強する方法もある」と言及するほど、現状の見通しは暗い。W杯8強に向け、突きつけられた課題ばかりが目立った17年春の陣が終わった。

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