三ケ島 専属キャディー務める父の的確アドバイスで2位 逆転Vへ射程

[ 2017年6月25日 05:30 ]

女子ゴルフツアー アース・モンダミン・カップ第3日 ( 2017年6月24日    千葉県袖ケ浦市 カメリアヒルズCC=6545ヤード、パー72 )

16番、父親の直さんとパットのラインを見つめる三ヶ島
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 ツアー本格参戦2年目の三ケ島かな(20=ランテック)がこの日ベストスコアの67をマークし、1打差の2位につけた。最終日はプロ初体験の最終組で逆転優勝を狙う。5月のほけんの窓口レディースで優勝の鈴木愛(23=セールスフォース)も67と伸ばし、通算15アンダーで今季2勝目に王手をかけた。注目のアン・シネ(26=韓国)は71の通算6アンダーで20位に後退した。

 父との二人三脚でピンチを乗り越えた。首位に2打差でスタートした三ケ島は「緊張で自分を見失っていました」と1番で50センチを外し3パットのボギーとつまずく。しかし「とりあえずお父さん=キャディーの直(すなお)さん(46)=と話をして、水分をこまめにとって、歩く歩幅をゆっくりしたりしました」と以前ゴルフ雑誌で読んだ上田桃子のメンタルコントロールの方法を思い出し実践。するとすぐに効果が表れた。

 3番で直さんと1メートルのバーディーパットのラインを相談して沈めると、その後は7番から3連続バーディーを奪うなどショット、パットともさえ渡った。父は「(3番以外は)全部、自分でラインを読んでいました。それだけ自信があったようです。元々ショットメーカーでショットは安定していましたから」と振り返った。

 今季は5月のリゾートトラストまで12試合に出場し9試合で予選落ち。極度の不振にあえいでいたが、サントリー・レディースの練習日に宮里藍と一緒にラウンドしたのが転機になった。結果が出ない悩みを伝えると「若いから大丈夫だよと言ってもらいました。それから気持ちの持ち方が変わりました」。今季限りでツアーから引退する、憧れのスターからの金言は何よりの心の栄養剤になった。

 1打差で迎える最終日。専属キャディーとしてツアーを転戦するため、勤めていた運送会社を昨年退職した父は「明日は雨ですか。中止になりますか。2位でもシードが確実になるのでOKです」と空を見上げた。一方の娘は「とりあえず今日みたいに自分を見失わず、一打一打しっかり数字は見ずに頑張ります」。父娘は平常心をキーワードに挙げていた。

 ◆三ケ島 かな(みかしま・かな)1996年(平8)7月13日、福岡県生まれの20歳。10歳からクラブを握る。沖学園出身。15年のプロテストに失敗。同年のツアー出場予選会を突破し、16年から本格参戦し、獲得賞金は1684万5700円でランク55位。同年の予選会1位で今季の出場権を確保。今季獲得賞金は556万8000円で66位。所属のランテックは父が勤務していた縁で契約。本名は「伽奈」。成績表などで名前を見つけやすいように平仮名で登録。1メートル64、51キロ。

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