サニブラウン10秒06連発!トップで決勝へ 悲願9秒台なるか

[ 2017年6月24日 05:30 ]

陸上日本選手権第1日 ( 2017年6月23日    大阪・ヤンマースタジアム長居 )

決勝進出を果たしたサニブラウン(左)、多田修平(中)と山県亮太(奥左)
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 世界選手権(8月、ロンドン)代表選考を兼ねて行われ、男子100メートルはサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)が予選、準決勝ともに10秒06の全体トップのタイムで、24日の決勝(午後8時38分スタート)に進出した。サニブラウンのほか、桐生祥秀(21=東洋大)ら世界選手権の参加標準記録を突破した5人が日本勢悲願の9秒台を出すか注目だ。

 伏兵のサニブラウンが一躍、主役候補に躍り出た。予選、準決勝ともに体格を生かした大きなフォームでグングン加速。2本とも日本歴代6位となる10秒06をマークし、1日に2度も観客席をどよめかせた。

 「予選は体が立ってしまったので反省しているし、準決勝はスタートが遅れた。こんなにいいタイムが出せたことは正直びっくりしている」。自己ベスト(10秒18)を大幅に更新する日本歴代6位に本人も驚きの様子。大会前は既に今夏の世界選手権の参加標準(10秒12)を突破していた桐生、山県、ケンブリッジ、多田の“四天王”がしのぎを削ると思われていたが、そこに18歳のサニブラウンも加わり“5強”が日本一の座と世界切符3枠を争うことになった。

 15年世界ユース選手権100、200メートルの2冠に輝き脚光を浴びたが、リオ五輪を目指した昨年は左大腿部を痛めて夢舞台への道を絶たれた。「全て目標としてきたことができなくなった」。ケガが癒えたオフにはオランダに単身武者修行に出向き、男子三段跳びで五輪2連覇中のクリスチャン・テーラー(米国)ら世界のトップ選手とトレーニングを積むなどした。

 「地上最速の男を目指す」と断言する男は24日に200メートル予選をこなした後、100メートル決勝を走る。「10秒0台が5人いるハイレベルなレースになるのでとても楽しみ」。狙うはもちろん初の日本一。日本選手初の9秒台も「出るときは出ると思う」と平然と言ってのけた18歳が、200メートルとの2冠に向けて底知れぬ能力を開花し始めた。

 ◆サニブラウン・ハキーム

 ☆生まれとサイズ 1999年(平11)3月6日、福岡県生まれ。父はガーナ人で母は日本人。1メートル87、72キロだが「身長は伸びている。1メートル90に乗っているかも。体重は79〜80ぐらい」

 ☆サッカーから陸上へ 陸上は小3から。それまではサッカー少年。東京・城西高に進み、今秋からフロリダ大へ進学。

 ☆ボルト超え 15年7月の世界ユース選手権(コロンビア)で100メートルを10秒28、200メートルを20秒34で制し、2冠に輝いた。200メートルは世界記録保持者ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が持っていた大会記録を破った。

 ☆世界選手権の最年少記録 15年世界選手権(北京)は200メートルに出場。大会最年少記録となる16歳172日で予選を突破した。

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