稀勢“大横綱への道”同郷の「角聖」常陸山に国技の発展誓った

[ 2017年6月12日 05:30 ]

第19代横綱常陸山の生誕の地で奉納土俵入りを披露する稀勢の里(左は高安)
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 大相撲夏場所を左上腕付近の負傷で途中休場した第72代横綱・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)は11日、茨城県水戸市にある第19代横綱・常陸山の像の前で横綱土俵入りを行った。像のある常陸山生家跡には約3800人の見物客が集まり、太刀持ちに弟弟子で新大関の高安、露払いに平幕・松鳳山を従えて現れた稀勢の里は力強い雲龍型を披露した。

 堂々とした風格で「角聖」と呼ばれた常陸山は同じ茨城県出身。「教科書にも載っていたし、相撲教習所でも化粧まわし(の写真)を見たことがある」という偉大な先人の像の前で土俵入りができたことに感謝している。「大横綱で茨城の先輩横綱。こういう機会をつくっていただき光栄」と引き締まった表情で話した。土俵入りの前には水戸市内にある墓に足を運んで手を合わせた。

 常陸山は明治後期から大正初期にかけて活躍し、1907年には米国に出向いてホワイトハウスで横綱土俵入りを披露している。引退後は出羽海親方として国技の発展に尽力した。横綱として角界をさらに盛り上げていきたいと考えている稀勢の里は「土俵の上でしっかりやることがそれ(発展)につながる。少しでも(常陸山に)近づけるように精進していく」と誓った。横綱2場所目で休場を余儀なくされた稀勢の里は、まずは名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)での完全復活を目指す。

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