【松岡修造の目】錦織 テニスの中身では勝っていたが…一番の敵は自分だった

[ 2017年6月9日 09:40 ]

テニス全仏オープン第11日男子シングルス準々決勝   錦織圭1―3アンディ・マリー ( 2017年6月7日    パリ・ローランギャロス )

マリー(左)と健闘を称え合う錦織圭(AP)
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 もしこの試合で、あの圭の調子でA・マリーの調子の悪さで、よく頑張ったと言ってしまったら…。それは僕が圭の夢を諦めたことになる。それは言えない。

 間違いなくテニスの中身では勝っていた。でも一番の敵はA・マリーではなく自分だった。勝利に対するタフさ、集中力がないと勝てないよ。分かりやすいのはジョコビッチ。確かにうまい、きれい。でも戦ってないのが凄く分かる。

 一番分からないのは第3セットのタイブレークだった。圭は「タイブレークへの入り方が悪かった」「いっぱいいっぱいだった」と言ったが、いい形でブレークバックをした理想的な入り方だった。なのに何かこう気が抜けたようになる。ここぞの集中力がない。

 このままでは4大大会優勝はどんどん遠のいてしまう。時間はどんどん過ぎていく。結局は“テニスで勝つための人生を生きる”ということなんじゃないか。テニスは凄くいい。それは間違いないんだから。(スポーツキャスター)

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