錦織 マリーに逆転負け「集中力欠いた…もったいない」

[ 2017年6月9日 05:30 ]

テニス全仏オープン第11日 ( 2017年6月7日    パリ・ローランギャロス )

全仏OP準々決勝で敗れた錦織圭(AP)
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 男子シングルスで世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)が、世界1位のアンディ・マリー(30=英国)に6―2、1―6、6―7、1―6で敗れた。日本男子では1933年の佐藤次郎以来、84年ぶりの4強入りはならなかった。また、車いすの部が8日に始まり、主催者推薦出場の国枝慎吾(33=ユニクロ)が男子シングルスで4強入りを決めた。

 今の錦織のテニスは紙飛行機のようにもろい。気持ちよくプレーしていたかと思えば、何かの弾みで唐突に失速してしまう。3、4回戦でも顔をのぞかせた不安が準々決勝での敗退につながった。

 「これ以上ないプレーの内容と結果」という完璧な第1セットから、第2セットになって暗転した。27%まで急落した第1サーブがA・マリーの侵攻を許し、圧力にあおられて気持ちがぐらぐら揺れ始めた。「焦りが出てきた。自分が耐えきれなくなって無理をしてしまった」。第1セットはなかったミスを次々に犯した。

 「一番悔いが残る」と語ったのは第3セットのタイブレークだった。直前でブレークバックした勢いを生かせず、出だしでつまずいた。「簡単なミスが続き、0―3になってネガティブになり始めた」と続けざまにダブルフォールト。原因は「集中力が欠けていた」。0―7の大差で落とし、翼は完全に折れた。

 「第2セットからも特に戦術を変えたわけじゃない」とA・マリーが語ったように、錦織の浮き沈みが試合を左右した。それを痛感しているだけに、錦織も「今日は自分に原因があった」「やらなきゃいけないことができなくなった」と反省の言葉が口を突いた。

 2月にもクレーコート遠征を行うなど、これまで以上に注力していた赤土の4大大会。自己最高成績に並ぶ2年ぶりのベスト8だが、どこか物足りなさが漂う。世界1位相手の敗戦にも錦織は言った。「もったいない」と。

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