青木瀬令奈、涙の逆転初V!4差から猛チャージ「気持ち強く」

[ 2017年6月5日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ヨネックス・レディース最終日 ( 2017年6月4日    新潟県長岡市 ヨネックスCC=6423ヤード、パー72 )

ツアー初優勝の青木瀬令奈(中)は葭葉ルミ(左)、成田美寿々の祝福にバンザイ
Photo By スポニチ

 13位から出た青木瀬令奈(24=三和シヤッター工業)が6バーディー、ボギーなしの66と猛チャージを見せ逆転し、通算4アンダーの140で涙の初優勝を飾った。首位スタートの西山ゆかり(34=アマダホールディングス)と6位から出た蛭田みな美(19=フリー)が2位。荒天の影響で競技は36ホールに短縮されたため、賞金の25%減額分である1750万円が熊本地震復興支援に充てられる

 初めて立った表彰台からの景色が涙色に染まった。「家族の前で、仲間の前で優勝できて…」。プロになって6年分の思いが込み上げ声を詰まらせた。「今まで頑張ってきてよかった」。そう話すと、最終日になってようやく晴れ渡った空のような笑顔が輝いた。

 最終3ホールで勝負を決めた。15番でスコアボードに目をやると、2アンダーで首位が4人並ぶ大混戦。「気持ちを強く持っていこう」と臨んだ16番でティーショットをグリーン右のカラーに乗せ、残り7ヤードをしっかり沈めて一歩リードした。最終18番では残り45ヤードの第3打を58度で2・5メートルにつけ「ラインは読み切っていた」と自信を持ってバーディーを奪った。後続5組が残っていたが、思わずガッツポーズが出た。

 慣れ親しんだコースでつかんだ優勝だ。高校1年時、同コースで行われたヨネックス・ジュニア選手権で優勝した。プロ入り後の12年に初の予選突破で優勝争いを経験したのもこの大会だった。「コースを知りすぎている分、怖いと感じるところもあった。それでも大好きなコースで勝ててうれしい」と勝利の味は格別だった。

 “戦友”からの言葉が励みになった。「ジュニアの頃、尊敬していた。また私を脅かす存在になってよ」と声を掛けたのは、同学年の成田美寿々だ。プロではなかなか殻を破れない青木に対し、成田は順調にキャリアを重ねて通算7勝。戦友であり、親友の初優勝を見届けた成田は「ホールアウトしたとき泣けたー」と抱き合って喜びを分かち合った。

 青木には大きな目標がある。「美寿々と一緒に東京五輪を戦うこと。まだまだ足元にも及ばないけど、それができたら最高!」。念願の1勝をつかみ、2020年東京に向けて大きな夢も描いた。

 ◆青木 瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日、群馬県前橋市出身の24歳。父の勧めで7歳でゴルフを始め、07年にナショナルチーム入り。前橋商時代の08年に全日本女子パブリックアマ選手権優勝、全国高校選手権優勝。2011年プロ入り。姉・茉里奈さん(27)もプロテストを受験中。1メートル53、50キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2017年6月5日のニュース