美乃里「偏見解消」訴え 茶髪、金髪の子は「練習している証拠」

[ 2017年5月29日 10:40 ]

サーフィン女子QS3000一宮千葉オープン最終日 ( 2017年5月28日    千葉県一宮町釣ケ崎海岸志田下ポイント )

東京五輪のサーフィン会場で開催された国際大会の女子で優勝した16歳の川合
Photo By 共同

 優勝した川合美乃里(16)はサーファーへの「偏見解消」を訴えた。ハワイや米西海岸、オーストラリアを中心に発展してきたサーフィンは、競技性の高まりとともに、独自のファッションや音楽、ライフスタイルも育んできた。そうした背景もあり、東京五輪の追加種目に決まった後も、日本国内では世間的に「サーファー=チャラい」というイメージが根強い。その一因となっているのが髪の色だが、川合は「誤解です」と語った。

 髪は海水の影響で脱色する。海で過ごす時間が長いサーファーには「茶髪」や「金髪」が多いが、一般的に「染めていると思われる」という。川合自身、中学時代に教師から「髪を染めるな」と注意を受けたことがあった。その際、サーフィンの影響だと説明したが全く理解してもらえず、つらい思いをしたという。「キッズでも髪の色が抜けている子がいるけど、それは練習している証拠」。自分よりも若い世代が、無知や無理解に苦しむことにも心を痛めた。

 サーフィンが追加種目として注目を集め、川合も昨年からメディアに露出する場面が激増した。“本来”なら川合の髪も褐色だが、「(メディアに出るなら)その方がいいのかな、と。黒髪へのあこがれもある」と、あえて黒に染めたこともあった。現在はその染髪も落ちつつあり、前髪にメッシュが入ったような状態。それは誰よりもストイックにサーフィンに打ち込んでいる証拠だ。

 偏見が解消されないまま2020年を迎えれば、選手が国民からの後押しを受けられない事態すら起こりえる。そんな事態を招かないためにも、「言い続けたいと思います」と川合。サーフィンを愛し、サーファーであることを誇る16歳は、真剣なまなざしで訴えた。

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