修造氏が錦織へエール「最後はメンタル」優勝確率は「K%」

[ 2017年5月28日 06:30 ]

松岡修造氏
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 テニスの4大大会、全仏オープンは28日からパリ・ローランギャロスで開幕する。4大大会で唯一、赤土を舞台に行われる今大会。男子シングルス世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)の4大大会初制覇の可能性は? そのためにはいったい何が必要なのか? 大会を中継するWOWOWで後半戦の解説者を務めるスポーツキャスターの松岡修造氏(49)が展望を語った。

 50%でも100%でもない。優勝確率は「K%」。つまり圭次第だと思っている。4大大会には、相手の強さだけでなく天候やお客さん、雰囲気など環境を含めたいろんな巡り合わせがある。そこで勝つには最終的にはやはりメンタル。テニスで修正するべき部分は、もう本当にない。その段階まできている。全てを打ち破るメンタルの強さを圭が持ちうるのか。対応する力はすでにあると僕は信じている。

 今季の圭のプレーを見ていると心のアップダウンが非常に多い。これはA・マリーやジョコビッチもそう。今のジョコビッチは僕から見ても穴だらけで、ひどい状況だ。あれほど隙のなかった選手がこんなに崩れるのかと。BIG4は相変わらず侮れないが、その怖さは低くなった。そして追い上げる側にも安定感はない。今後数年間はBIG4ではなく、BIG8、BIG16というとらえ方になっていくように思う。その中で誰が勝つのかと見られるようになる。

 圭がその先頭集団にいて抜け出すチャンスがあったのは間違いない。ただし、世界はそこにも疑問を抱き始めている。辛い言い方になるが、少し負け始めたら周りの選手は圭を一切怖がらなくなる。威圧感がなくなれば、技とメンタルでは抗しきれないほどに一層パワーで押し込まれるようになる。そうなれば、簡単には勝つことができなくなる。そうはなってほしくない。期待と同じように不安は抱いている。

 クレーコートでもハードコートと同じように速いテンポでプレーできると圭が気づいたのが3年前。球足が遅く、時間がある分、ライジングで球を叩きやすくもなる。弱点でもあるサーブ力は最もポイントに影響しにくい。一昨年8強、昨年は16強止まりだったが、圭としては優勝のチャンスはあると思っていたはずだ。そして今季の周りの状況を見れば、なおさらそう思わないわけがない。

 問題点は技術ではなく心!心は一気に変えられる。だからこそ修正は容易。いい形で集中力を合わせ、それがぴたりとハマれば夢は叶う。

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2017年5月28日のニュース