日馬“電撃”7連勝!電気療法で状態アップ 嘉風に隙与えず

[ 2017年5月21日 05:30 ]

大相撲夏場所7日目 ( 2017年5月20日    両国国技館 )

立ち合い、嘉風(左)よりも低く入った日馬富士
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 横綱・日馬富士が嘉風を押し出し、初日から7連勝を飾った。過去の対戦成績でも互角でここまで2横綱を破っている難敵を撃破。大栄翔を退けた横綱・白鵬とともに首位を快走している。横綱・稀勢の里は小結・御嶽海を寄り切って5勝2敗とした。千代翔馬を下した関脇・高安だけが1敗となった。

 好調な相手を持ち前のスピードでねじ伏せた。先場所までの対戦成績で8勝8敗と五分の嘉風が相手。今場所は鶴竜と稀勢の里の2横綱を倒し勢いに乗る。だが、動きの速さで圧倒。14年3月の春場所以来となる初日からの7連勝を飾った日馬富士は支度部屋でも、上機嫌で振り返った。

 「お互い動きが速いからいい相撲を取りたかった。楽しみな相手の1人」

 立ち合い、身長が9センチ低い嘉風よりも低く当たった。まわしにこだわらず一方的に攻め続け、6秒1で料理した。

 体のメンテナンスが、今場所はうまくいっている。幕内平均体重が162キロの今、日馬富士は137キロしかない。大きな相手にぶつかり続けた負担が多くの古傷となっている。右膝、両足首、両肘…。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も「体が万全で相撲を取ったときはない」と話す。

 3月の春場所でも右膝に水がたまり、場所後しばらくは付け人の肩を借りないと階段を上ることもできなかった。夏場所の優勝争いは難しいと誰もが思った。

 しかし、昨年5月から導入した電気療法の一種、「ハイボルト治療」が効果を見せた。専門家の意見を参考に試行錯誤し、自分に合ったやり方を見つけた。春巡業先でもこの治療を継続し、驚異的な回復に役立った。4月20日の千葉・柏巡業からは土俵での稽古も再開。現在の朝稽古でも、土俵での相手対策よりもストレッチに重点を置き、これも吉と出ている。

 過去、初日から7連勝した9場所中、6場所で優勝。傷だらけの体も「勝つことが何よりの薬」と気持ちは乗っている。昨年7月の名古屋場所以来の賜杯へ「欲はありますけど」と本音もチラリ。今場所の一番平均4・2秒という速攻相撲で、9度目の優勝へばく進する。

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2017年5月21日のニュース