北村弁護士長男・晃一2位発進 異色の経歴でプロに

[ 2017年5月19日 05:30 ]

男子ゴルフツアー関西オープン第1日 ( 2017年5月18日    京都府城陽市 城陽カントリー倶楽部=7037ヤード、パー71 )

18番ホール、グリーンでラインを読む北村晃一
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 テレビ番組「行列のできる法律相談所」で人気の北村晴男弁護士(61)の長男、北村晃一(32=ミッションバレーGC)が自己最高位の2位で発進した。コースマネジメント通りに攻略し、3バーディー、1ボギーの69をマーク。親の七光を甘受したプロ9年目の異色ゴルファーが首位と2打差の好位置を生かす。今平周吾(24=レオパレスリゾートグアム)が67をマーク、単独首位に立った。

 父譲りのクレバーさを前面に出した。グリーンが硬く、フェアウエーを外すとパーオンが困難なセッティング。北村は「安全に、安全に」と呪文のように繰り返しながら、3バーディー、1ボギーの69をマーク。自己最高位となる首位と2打差2位で発進した。

 「このコースはティーショットが全て。ラフに入ったら話にならない。いろいろ考えながらゴルフをするのが好きだから、こういうコースは合っている」

 8番パー4ではフェアウエーからの第2打を2・5メートル手前につけてバーディー。14番でもスコアを伸ばし、17番パー4では3Wでティーショットを刻み、狙い通りバーディーを奪った。

 北村弁護士の長男として注目を集めるが、本人の経歴も異色だ。プロ野球・楽天の松井裕樹らを輩出した桐光学園(神奈川)で野球部に所属し、甲子園に2度出場。1年浪人して中大法学部に入り一度は父と同じ弁護士を目指したものの「この職業は好きじゃないとできない。僕は何となく目指していた」と断念。大学4年から進路をプロゴルファーに絞った。そこから頼ったのは、ゴルフが趣味である父の名声だ。

 「周囲の声を気にしなければ(父が有名人であることは)プラスでしかない」。コネを頼りに練習環境を整えてもらい、ゴルフ漬けの日々を送った。本格的にゴルフを始めてわずか2年後の09年にプロテスト合格。アジアンツアーなどを経て、昨年の下部ツアーで賞金ランク10位に入り、今季前半戦の出場権を手にした。

 昨年12月に結婚。初めて親元を離れ福岡県で新婚生活を送っている。「ゴルフを始めて10年目でやっとツアーに出られる」と気合十分。華やかな経歴に達者なしゃべりも魅力だ。親の七光でのし上がった暁には、父に負けないギャラリーの行列をつくる。

 ▼北村晴男弁護士(北村晃一の父)あとの3日間を粘り抜いて、結果的にベスト10やベスト5、優勝争い…ということになればいいとは思うが、まだそんな力はない。高望みせず着実にあと3日間を戦ってほしい。

 ◆北村 晃一(きたむら・こういち)1985年(昭60)1月2日、神奈川県出身の32歳。桐光学園高では野球部で2年春と3年夏に控えで甲子園出場。中大法学部4年から本格的にゴルフを始め、09年プロテスト合格。11年中日クラウンズでツアーデビュー。最高成績は14年日本オープン16位。1メートル70、72キロ。得意クラブはパター。

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