Bリーグ千葉“J1級”の集客力 期待高まるCSでの熱い戦い

[ 2017年5月13日 10:00 ]

Bリーグプレーオフ準々決勝で対戦する千葉の富樫勇樹(左)と栃木の田臥勇太                               
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 バスケットボール男子のBリーグは初代王座を懸けたプレーオフのチャンピオンシップが13日から始まる。レギュラーシーズンは7日で全日程(各チーム60試合)を終え、10日に行われた理事会では初年度の入場者数などが報告された。

 レギュラーシーズンB1の平均入場者数トップは千葉ジェッツの4503人だった。これはリーグ平均の2777人を大幅に上回り、2位で3356人の栃木に1000人以上の大差をつけるダントツの数字だった。だが、Bリーグがクラブの参加条件に挙げていたアリーナの観客席数「5000人以上」にも届いていないし、毎試合数万人の観客が入る野球やサッカーと比べてしまうと、どうしても小さい数字に見えてしまう。この数字をどう評価するか。Bリーグの大河正明チェアマンがおもしろい試算を示してくれた。

 「千葉のホーム30試合の入場者数は約13万5000人。チームの所属選手は12人なので、選手1人で1万人以上のお客さんを呼んでいる計算になる。サッカーJ1のクラブを見ると、入場者数は1試合平均1万8000人、年間17試合で約30万人。所属選手30人と考えると、選手1人で1万人となる。千葉はJ1の平均値に近いか、それを上回っている。それほど価値がある」

 選手数が少なく、年間試合数の多いバスケットボール。選手1人当たり年間集客数で見れば、千葉はサッカーJ1のクラブに匹敵するということ。リーグ1年目にして4503人は立派な数字と言えるだろう。

 母体企業を持たない千葉は地元密着を掲げて、地道にファンを増やしてきた。リーグが推奨するSNS(フェイスブック、ツイッター、インスタグラム)でもファンの数は約13万7000人で1位。今月3日のホーム最終戦(対秋田、千葉ポートアリーナ)ではリーグ最多7327人(リーグ主管の開幕カード除く)を集めた。チームカラーの赤で染まった会場は壮観。ファンの熱気は観客動員で他クラブを凌駕(りょうが)するサッカーJ1の浦和レッズのようでもあった。

 また、平均入場者数では千葉には及ばなかったものの、旧リーグ時代から盛り上がりを見せているクラブがある。同2位の栃木と同3位(3322人)の琉球だ。潜在的なファンの数では千葉に負けていないかもしれない。両チームのホームアリーナは常に満員。収容能力に限界があって、これ以上の観客を入れることができない。ともに数年後には7000〜1万人規模の大きなアリーナが完成する予定だ。大河チェアマンは「琉球と栃木は千葉を抜く可能性がある。この3チームにはBリーグを引っ張っていってほしい」と期待を寄せている。

 集客面で成功しているトップ3チームは、いずれも8チームによるチャンピオンシップに出場する。ファンの声援が選手たちのパフォーマンス向上に多大な影響を与えているのは間違いないだろう。その千葉と栃木はチャンピオンシップ準々決勝で激突する。初戦から熱いゲームが期待できそうだ。(記者コラム・柳田 博)

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2017年5月13日のニュース