稀勢 双葉山目指す 80年ぶり初Vから3連覇へ

[ 2017年5月2日 05:30 ]

番付を手に会見をする稀勢の里
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 和製横綱が新境地を披露する。日本相撲協会は1日、夏場所(14日初日、両国国技館)の新番付を発表し、新横綱だった春場所で2場所連続2度目の優勝を飾った稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)が初めて東の正位に座った。日本出身の横綱が番付最上位となるのは2001年名古屋場所の貴乃花以来16年ぶり。春場所で痛めた左上腕などは万全でないが、下半身強化に努めて変身したことを強調。1936年夏場所から5連覇した双葉山以来、80年ぶりとなる初優勝からの3連覇に向け、残り2週間足らずで臨戦態勢を整える。

 藤色の着物で現れた稀勢の里の表情は幾分、硬かった。負傷を押して強行出場し、新横綱場所で賜杯を抱いてから36日。東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で開かれた会見でケガの状況について口を開いた。

 「上向きですよ。(負傷してから)何週間もたっているし、だいぶ落ち着いている」。詳細は語らなかったが、春巡業を全休して治療を続けたことで、ケガ直後よりは回復してきている。夏場所は出るかとの問いには「いつもその気持ちで調整していく。何があるか分からないが、2週間でいい調整ができれば。まあ大丈夫じゃないか」と意欲を示した。

 稀勢の里はケガに強い力士で、初土俵からの休場は、右足親指を負傷して休んだ14年初場所千秋楽の1日だけ。場所直後の1週間の休み以外はほとんど稽古場の土俵に上がって鍛えてきたことで、最高位へとたどり着いた。だが、春場所13日目の日馬富士戦での負傷は「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1カ月の療養は必要」と診断され、4月の春巡業は全休した。その間に相撲を取る稽古はできなかったが、稀勢の里はそれをもプラスに捉えていた。

 「自分の体と向き合い、基本に戻って徹底的にやった。自分の中では面白いんじゃないかという気がする」

 治療と並行して行ったのが下半身強化だった。巡業休場中の部屋での稽古は非公開だったが、稽古まわしを締めて土俵に下り、四股などを入念に行ったもようだ。部屋や自宅周りのウオーキングも継続。結果「下半身は100%。明日からでもいけそう」と言えるまでになった。「食生活から変えたし、自分の中では充実した日を送っていた」とあって、着物の上からでも一回り体が大きくなっているのが分かった。「ケガをしてから強くなる力士もたくさんいる」。春場所の負傷を“ケガの功名”とし、“ニュー稀勢の里”となる努力を続けた。

 新横綱場所での優勝で、番付は目標にしていた東の正位となった。「やる気というか、これからという気持ち」と闘志が湧いてきた。初優勝からの3連覇となれば、15日制が定着した49年夏場所以降は初の快挙。それ以前を含めれば、37年夏場所の双葉山以来80年ぶり(双葉山はその後も優勝して5連覇)となる。

 「巡業に出なかった分、本場所ではいい姿を見せたい。焦らずしっかりやっていく」。下半身がどっしりとした新横綱が、地に足をつけて復活の場所に向けてさらに精進していく。

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