羽生“ゆずらない”ノーミス有終「演技は全力で一つ一つ丁寧に」

[ 2017年4月20日 05:30 ]

フィギュアスケート世界国別対抗戦 ( 2017年4月20日    国立代々木競技場 )

チューチュートレインを踊る(手前から)須藤澄玲、樋口新葉、三原舞依、宇野昌磨、村元哉中、羽生結弦、クリス・リード、フランシス・ブドローオデ
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 フィギュアスケートの世界国別対抗戦(20日開幕、東京・国立代々木競技場)の公式練習と会見が19日、都内で行われた。世界選手権で3年ぶりの優勝を飾った男子の羽生結弦(22=ANA)は平昌(ピョンチャン)五輪プレシーズンの有終の美を飾るため、初日のショートプログラム(SP)で今季初の完璧な演技を誓った。

 劇的な逆転優勝から約2週間。世界王者は好調を維持していた。公式練習ではループを含む3種類の4回転ジャンプに成功。フリー「ホープ&レガシー」を流した際には演技後半の4回転サルコーのコンビネーションジャンプで失敗したが、その後、4回転トーループを含む3連続ジャンプを決めるなどリカバリー策の準備も万全だ。「いい演技をした試合の後に、いい演技をすることが課題」と気の緩みも一切なかった。

 世界選手権ではフリーで今季初めて4本の4回転ジャンプを完璧に決めて、世界歴代最高得点を更新する223・20点をマークした。その一方で、SPではジャンプにミスが出て5位と出遅れた。プリンスの「レッツ・ゴー・クレイジー」を舞う今季のSPではミスなく終えたことがまだ一度もない。

 完璧な「プリンス」になれないまま、シーズンを終えるわけにはいかない。「いつもノーミスしたいと言って、ノーミスできていない。とにかく全力で一つ一つ丁寧にやることを意識して演技したい」と今季初の完璧なSPに向け並々ならぬ意欲を見せた。

 今大会は団体戦だが、個人の得点は公認される。羽生は点数へのこだわりは口にしなかったが、昨季より高難度の構成となっているSPをミスなくまとめれば、15年GPファイナルで出した世界歴代最高110・95得点超えも十分可能だ。

 「今季最後の試合なので、経験してきたこと全てを出したい。成功しきれていないジャンプ、クリアしたい課題、心の問題、一つ一つしらみつぶしにして、最高の演技だったと思えるようにしたい」。男子は4位だったハビエル・フェルナンデス(スペイン)以外の世界選手権上位6人が滑る。2連覇を狙う平昌五輪へ。気持ちよくオフシーズンを迎えるためにも、表彰台の頂点で今季を締めくくる。

 ▽世界国別対抗戦 国際連盟が主催する団体戦として09年に始まり、今回は第5回大会。日本、カナダ、ロシア、米国、中国、フランスの6カ国が出場。各国男女2選手ずつ、ペアとアイスダンスは1組が演技。各種目のSP、フリーの1位を12点とし、順位に応じたポイントの合計で争う。得点は公認される。今大会を含め全て4月に東京で開催され、日本は12年に優勝している。

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