池江、女子初の5冠 好物チョコ断ち“甘さ”捨てた

[ 2017年4月17日 05:33 ]

競泳 日本選手権最終日 ( 2017年4月16日    名古屋市ガイシプラザ )

今大会5冠を達成した池江璃花子は、カメラに向かって5冠ポーズ
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 世界選手権(7月、ブダペスト)代表選考会を兼ねて行われ、16歳の池江璃花子(ルネサンス亀戸)が女子初の5冠を達成した。既に100メートル、200メートル自由形、50メートルバタフライの3種目で優勝していた池江は、女子50メートル自由形を24秒57で優勝すると、40分後の女子100メートルバタフライを57秒39で制した。5種目制覇は4冠の萩原智子と渡部香生子を抜き女子初で、13年の萩野公介に並ぶ国内2人目の快挙。しかも、全種目で代表権を獲得した。

 もうあの頃の少女の姿じゃない。1年前の五輪選考会では、安ど感から泣きじゃくった涙のヒロインがたくましくなって戻ってきた。5冠の快挙でさえ簡単に見えてしまうほど、池江は世界基準のスピードで圧倒し、出場全種目で優勝をさらった。「本当に達成感でいっぱいです。全体的に自己ベストが出なくて悔しい結果だったけど、5冠できて良かった」。国内 敵なし。世界でもまれ、正真正銘のエースになった。

 息継ぎなしで制した50メートル自由形決勝から約40分後。100メートルバタフライ決勝を前に不安がよぎった。「メインの種目で派遣(記録)を切れなかったらどうしよう」。だが、村上コーチに「おまえは大丈夫」と背中を押され、「あと一本で家に帰れる」と集中して腹をくくった。前半は日本記録を0秒09上回りターン。折り返して浮き上がると、もう周りにライバルはいない。あとはタイムとの勝負だ。最後は残るエネルギーを使い切り、2位に1秒30の大差をつけ切符をつかんだ。

 勝負の世界は甘くなかった。昨年6月の欧州遠征。レース間の休憩で好物のチョコレートを頬張っていると、自由形の塩浦慎理から「試合中はやめた方がいいよ」と注意された。スポーツ栄養士・こばたてるみ氏によると、一度に過剰な糖分を摂取して運動をすると、急激に血糖値が下がる「インスリンショック」を起こす可能性があり、パフォーマンスに影響を及ぼすこともあるという。

 “甘さ”は禁物。9歳年上の先輩の教えを守ると、五輪までに100メートル自由形と50メートルバタフライで日本新記録を樹立。リオでは100メートルバタフライで3度日本記録を更新して5位入賞した。今大会の初日には友人からチョコレートをプレゼントされたが「食べようとした瞬間に思い出して、やめました。血糖値上がっちゃうから」と甘い誘惑にも負けない。高い意識も前人未到の5冠を呼び込んだ。

 4日間の大会期間中はレース後のドーピング検査で十分な睡眠を取れなかった日もあり、疲労とも闘った。「こんなにタフなレースをこなすことができて本当にいい経験だった」。年末年始には初めて高地トレーニングを実施。酸素の薄い施設で心肺機能を強化するなど限界に挑戦してきた経験が、今回の過酷な条件下でのレースにも生きた。

 新たな勲章とともに挑む世界選手権。「一本一本集中して、100メートルバタフライはメダルを目指したい」。最大の目標である地元開催の東京五輪へ向け、若きエースは確実に力をつけている。

 ◆池江 璃花子(いけ え・りかこ)2000年(平12)7月4日、東京都生まれの16 歳。淑徳巣鴨 高1年生。3歳から水泳を始める。昨年のリオデジャネイロ五輪では日本史上最多の7種目に出場した。1メートル70。

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