瀬戸 萩野に勝った、0・01秒差 世界選手権∨3へ「自信になる」

[ 2017年4月14日 05:30 ]

競泳日本選手権第1日 ( 2017年4月13日    名古屋市ガイシプラザ )

競泳日本選手権第1日 男子400メートル個人メドレー決勝、100分の1秒差で萩野(左)を下し優勝した瀬戸は、健闘を称え合い握手
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 世界選手権(7月、ブダペスト)代表選考会を兼ねて開幕し、男子400メートル個人メドレーで、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの瀬戸大也(22=ANA)が4分10秒44で初優勝した。リオ五輪金メダリストの萩野公介(22=ブリヂストン)に100分の1秒差で競り勝ち、3連覇が懸かる今夏の世界選手権へ向けて大きな手応えをつかんだ。

 会場中の視線が電光掲示板を向いた。ずっと隣のレーンの萩野を視界に入れて泳いでいた瀬戸も勝敗の行方は分からなかった。「どっちだろう」。掲示板が示したタイム差はわずか100分の1秒。過去にないエキサイティングなデッドヒートの末に、瀬戸が初の日本タイトルを手にした。

 勝負に徹した。当初は3つ目の得意の平泳ぎで突き放すプランだったが、2つ目の背泳ぎで力んでしまった。「平泳ぎでスパートをかけると、自由形で差される。体力をためよう」。200メートルで体一つリードされていたところを、並ぶところまでにあえて抑えた。そして最後はバテながらも「練習してきて自信があった」自由形で競り勝った。4分10秒44は自己ベストから1秒97遅れたが、作戦変更で勝利を呼び込んだ。

 世界王者として臨んだリオ五輪では決勝でタイムを落とし、3位に終わった。その頃から感じることがあった。「爆発力がなくなっている」。ジュニア時代は次々と記録を伸ばし、13年の世界選手権(バルセロナ)で自己ベストを1秒以上更新して優勝した。狙った大会で記録を出せる。その本来の武器を取り戻そうと、冬場は試行錯誤を続けてきた。

 早大に入学した4年前から重要な大会前に実施してきた高地合宿を今回やめた。これまで完全オフは週1回だったが、3日練習して1日休むサイクルに変えた。ウエートトレーニングで筋量が増えた分、疲労もたまりやすくなっていたからだ。息抜きに飲んでいたお酒も断った。いずれも年齢を重ねて変化した肉体に対応し、一回の練習の質を高めるためだった。

 社会人になって初めてのレース。爆発的なタイムではなかったが、勝負強さは戻ってきた。「この勝ちは自信になる。自信が爆発力の鍵になる」。3連覇が懸かる世界選手権。「リオでできなかったワンツーフィニッシュをしたい。もちろん自分がワンで」。瀬戸らしい強気な言葉も戻ってきた。

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