【岡崎真の目】三原 確実な演技が審判の信頼感につながる好例

[ 2017年4月2日 08:24 ]

フィギュアスケート世界選手権第3日 ( 2017年3月31日    フィンランド・ヘルシンキ )

演技を終え感極まる三原舞依
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 SPで珍しくミスのあった三原のフリーは、見事な自己ベストとなった。一つ一つの要素を確実にこなすという持ち味をいかんなく発揮し、技術点は全体2位。確実な演技は審判の信頼感につながるという好例だと思う。惜しいのはやはり、SPで上位にいなかったことだ。審判は演技を絶対的価値観で評価することになってはいるが、その後に上位者が控えていると、どうしても得点を抑えてしまう傾向もある。

 樋口は中盤、3回転ルッツからの連続ジャンプが2回転ルッツになってしまったのが大きかった。これにより残った連続ジャンプをダブルアクセル(2回転半)の後につけたが、ここはスピードに乗っていない局面。実施した3回転トーループはダウングレードのうえ転倒という結果になってしまった。それでも「少しでも得点を」と攻めた16歳は責められない。

 五輪出場枠「2」という結果は、国内の代表争いをさらに熾烈(しれつ)にする。ケガから復帰する宮原、底力を秘める浅田らに加え、今季の世界ジュニア組である坂本、白岩、本田といった伸び盛りの選手もいる。厳しい戦いが選手のレベルを向上させ、五輪本番での好結果に結びつくことを今は期待したい。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2017年4月2日のニュース