宇野2位発進!「凄く気持ちいい」2つの4回転完璧、逆転V射程

[ 2017年3月31日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権 ( 2017年3月30日    フィンランド・ヘルシンキ )

<フィギュア世界選手権男子SP>華麗な滑りを見せる宇野昌磨
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 男子ショートプログラム(SP)で、宇野昌磨(19=中京大)が世界歴代3位となる104・86点をマークし、2位発進した。2つの4回転ジャンプを完璧に決めて、3連覇を狙う首位のフェルナンデス(25=スペイン)に4・19点差の好位置。3年ぶりの王座奪回を目指す羽生結弦(22=ANA)はジャンプにミスが出て98・39点の5位と出遅れた。フリーは4月1日に行われる。

 会場に得点のアナウンスが響くと、大歓声が上がり、宇野は思わず両拳を振り上げた。104・86点。2月の四大陸選手権で出した自己ベストを4・58点更新した。フェルナンデスには及ばなかったが、世界歴代3位の高得点を叩き出した。

 昨春世界で初めて成功させた高難度の4回転フリップを完璧に決めた。続く4回転―3回転の連続トーループもきれいに着氷。トリプルアクセルを含め全ジャンプを成功させ、ステップには感情が込もり、表情も豊かだった。表現面では、演技点で5項目のうち4項目が10点満点で9点台の高評価。「凄く気持ちよく滑ることができました。この1年やってきたことを出せてうれしかった」と笑顔を見せた。

 1年前の屈辱が成長の原動力だ。昨季はシニア1年目でGPファイナルで3位に入るなど前半戦は好調だった。だが、後半に入って調子は下降。最後の世界選手権は7位に沈み、悔し泣きした。

 だからこそ、今大会へ向けた準備は万全だった。年明けから四大陸選手権や札幌アジア大会など3大会に出場し、試合勘を保った。他の日本選手が3、4日前にヘルシンキ入りしたのに対し、時差ボケに極度に弱い宇野は11日前に現地入り。おかげで「日本と同じ感じで練習できた」と絶好のコンディションだった。独自の調整スタイルは昨季の反省から導いたもの。今季は出場した全ての大会で表彰台に立った。同じ過ちを繰り返すわけにはいかなかった。

 フリーでは4本の4回転ジャンプが入った高難度のプログラムに挑む。2月の四大陸選手権では既に4本全て成功。「四大陸の頃は難しいイメージがあったけれど、今は攻めている(構成)とは言えない」と話すほどなじんできている。トップとは4・19点差。初の表彰台どころか、頂点も見えてきたが「地の力、みんながノーミスの時の力は僕は1位じゃないので、1位を狙う立場じゃない」と謙虚に語った。

 だが、こうも言う。「負けたくはないです。去年は泣いて終わったこの大会を笑顔で終えられたらいい」。進化を続ける19歳。「(4回転ジャンプ)1つのミスで10点下がる。順位もいくつ下がるか分からない。フリーも1つのジャンプでひっくり返る」。逆転の可能性があることも分かっている。

 ◆宇野 昌磨(うの・しょうま)1997年(平9)12月17日生まれ、愛知県名古屋市出身の19歳。5歳でスケートを始め、09、10年に全日本ノービス選手権連覇。14〜15年はジュニアグランプリファイナルをジュニア世界新となる合計238.27点で制し、全日本選手権は羽生に次ぐ2位。15〜16年からシニアに移行し、GPファイナル3位。1メートル59、54キロ。

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