稀勢の里 巡業休場…左上腕部の筋損傷で加療1カ月

[ 2017年3月30日 05:30 ]

インタビューを受ける稀勢の里。左肩にはテーピングが…
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 大相撲春場所でケガを抱えながら逆転で2場所連続優勝を果たした横綱・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)が、左上腕部の筋損傷で加療1カ月と診断されたことが29日、分かった。既に診断書を日本相撲協会に提出しており、来月2日から始まる春巡業を休場。当面は治療に専念する。なお、春場所を途中休場した横綱・白鵬(32=宮城野部屋)、膝痛を抱える大関・照ノ富士(25=伊勢ケ浜部屋)も春巡業を当初は休み、途中出場する見込み。

 やはり軽傷ではなかった。加療1カ月の診断。稀勢の里は優勝翌日の27日の会見で「(痛みは)ほぼほぼない。なるべくなら巡業に出るというのも僕の使命だと思っている」と話していたが、静養を余儀なくされた。巡業は4月末まで続くため、途中出場する可能性はあるが、田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)は「もう一度ちゃんと調べる。本人は出たいだろうが、まずは治さないと」と再検査を受けさせる意向を明かした。

 稀勢の里は春場所13日目の結びの一番で、日馬富士に寄り倒しで敗れ、横綱として初黒星を喫した。その際、土俵下に転落し左上半身を強打。左胸付近を押さえ、苦もんの表情を浮かべ救急搬送された。残る2日間は左肩から上腕筋にかけてテーピングで固定して強行出場したが次第に左上腕部が皮下出血で浅黒く変色した。

 元来、強烈な左おっつけで相手の体勢を崩すのが得意だが、負傷後は大関・照ノ富士を本割、優勝決定戦で倒した千秋楽を含め、左から押すことができなかった。これまでのようなパワーで攻めることができるかどうかは、来場所以降の成績を左右しそうだ。仮に4月末まで行われる巡業を全休となれば、3連覇が懸かる夏場所(5月14日初日、両国国技館)への影響も心配される。

 ▼横綱審議委員会守屋秀繁前委員長(千葉大名誉教授=整形外科医)治るケガだ。1カ月もすれば筋肉はつながる。ただ、筋損傷ならあれほど痛がることも少ない。

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2017年3月30日のニュース