【岡崎真の目】安定感が持ち味の三原にのしかかった重圧

[ 2017年3月30日 09:15 ]

フィギュアスケート世界選手権 ( 2017年3月29日    フィンランド・ヘルシンキ )

最後のジャンプで転倒する三原舞依
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 結論から言えば「五輪出場枠3」という重責を、3人中2人が世界選手権初出場という顔ぶれに背負わせてしまったことが、悪い方向に出たということだろう。安定感が持ち味だった三原のSPに、その影響が色濃く出てしまったように思う。

 最後のジャンプまでの演技は決して悪くなかった。しかし、3回転フリップは2回転になったうえに転倒。3回転のシングルジャンプを1回入れるというSPの要件を満たさないうえ、減点まで喫する結果となった。最後のジャンプ直前のスピードに欠けた滑りは、それまで完璧な演技をこなしてきた安堵(あんど)感が出てしまったのか、それとも手堅くいこうという守勢になってしまったのかは分からないが、大きなミスだった。四大陸選手権優勝という実績もあり、5項目の演技点では高いレベルに達していただけに、もったいなかった。

 ただし、フリーまでに中1日ある。気持ちの切り替えはできるはずだ。樋口は大きなミスのない演技を見せてくれたし、急きょ出場となった本郷も今の力は十分発揮してくれたと思う。最後は重圧を感じるのではなく、無心で自分のベストを尽くすことだけに集中してほしい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2017年3月30日のニュース