羽生、奪冠へ リカバリー策「考えながら」連続ジャンプ代替案

[ 2017年3月29日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権   28日公式練習、29日開幕 ( 2017年3月28日    フィンランド・ヘルシンキ )

<フィギュア世界選手権公式練習>フリーの曲をかけて練習する羽生結弦
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 フィギュアスケートの世界選手権(29日開幕)の公式練習が28日、フィンランド・ヘルシンキで行われ、男子の羽生結弦(22=ANA)は本番リンクで調整した。フリーで4回の4回転ジャンプ成功に向けて、ミスした際のリカバリー策を入念に確認。3年ぶりの王座奪回へ向けてリスクマネジメントも万全だ。男子は30日にショートプログラム(SP)、4月1日にフリーが行われる。

 今大会の公式練習で、羽生は普段あまり見かけないジャンプを練習している。前日は4回転トーループ―1回転ループ―3回転サルコーの3連続ジャンプを跳んだ。そして、この日は4回転サルコー―1回転ループ―3回転サルコーにもチャレンジした。「考えながら跳びました」。いずれもフリーで予定している4度の4回転ジャンプでミスがあった時に、リカバリー策として終盤の3回転ルッツに代えて投入する可能性のあるジャンプだった。

 2月の四大陸選手権のフリーでは3つ目の4回転ジャンプに失敗したが、予定になかった5つ目に挑戦し、初めて計4回の4回転ジャンプを成功させた。その際に急きょ跳んだのは4回転―2回転の連続トーループ。今回はさらに得点の高い3連続ジャンプをあらかじめ準備し、「あの時は3連続をつけられなかったので、いろいろ練習してきました」と説明した。

 2月の四大陸選手権ではSP2本、フリー5本の計7本の4回転ジャンプを成功させた17歳の新鋭チェン(米国)に負けて2位に終わった。あれから1カ月。「とにかく通しの練習をやってきました。ちょっとずつ心に余裕が出てきたかな」。まだまだ表現面などではアドバンテージがある。勝負の鍵はSP2本、フリー4本の4回転ジャンプの成否が握ると踏んでいる。

 「コンディションは凄く良くて、感覚もいい。あまり世界選手権という感じもせず、のびのびやらせてもらっている」。狙うのはSP、フリーともに今季初のノーミスの演技だが、仮にミスがあってもリスクマネジメントはできている。3年ぶりの王座奪回へ向けて、心も体も戦略も準備は整った。

 羽生は午後に行われた2度目の練習では珍しくジャンプでミスを連発した。SPの曲をかけて滑った際には4回転ループと4回転サルコーがいずれも踏み切りで失敗し、トリプルアクセルでも転倒。3つのジャンプ全てミスした。その後もループとサルコーではタイミングが合わずミスを繰り返し、首をひねる場面もあった。ただ最後は4回転サルコーを5連続で決める意地も見せた。

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