稀勢の里が単独トップ 自己最長の17連勝「いいんじゃないの」

[ 2017年3月23日 05:30 ]

大相撲春場所11日目 ( 2017年3月22日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所11日目>単独トップに立った稀勢の里
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 新横綱の稀勢の里が単独トップに立った。今場所3度目の結びの一番は平幕・嘉風に動き回られて苦戦しながら、送り出しで勝って11戦全勝とした。初日から10連勝だった弟弟子の関脇・高安が横綱・鶴竜に上手出し投げで敗れたため、単独トップに立った。15日制では4人目となる新横綱Vに一歩前進した。大関・照ノ富士、平幕・栃煌山は勝ち、高安を含めて1敗は3人となった。

 劣勢にも裂傷にも負けなかった。4日連続で同じ二所ノ関一門の力士との対戦となった結びの一番。場所前には嘉風との稽古で左目上を裂傷して流血していたが“因縁の相手”を振り切った。つかまえ切れずに後退しても、右から小手に振って回り込み、最後は左からのいなしで体を入れ替えて送り出し。厳しい勝負でも勝利をつかんだ。

 「いろいろ展開があるから。集中してやれたので、いいんじゃないの」。内容にはもちろん満足していないが、集中力を切らさなかったことをプラスに捉えた。初場所10日目からの連勝は17に伸び、過去最長だった自己記録の16連勝(13年春場所13日目〜夏場所13日目)を更新。11日目終了時点で新横綱が単独トップに立つのは90年秋場所の旭富士以来だ。

 弟弟子に“お付き合い”しなかった。ともに初日から8連勝した12年秋場所では、9日目に先に高安に土がつくと、稀勢の里も敗れた。昨年名古屋場所は9日目終了時点で8勝1敗の稀勢の里と高安が並んでいたが、翌日はともに黒星。この日も嫌な展開となってしまったが、同じ轍(てつ)は踏まなかった。

 単独トップに立ったことで、15日制定着後の1949年夏場所以降では大鵬、隆の里、貴乃花に続く新横綱優勝が見えてきた。初優勝からの連続優勝は15日制では千代ノ山と朝青龍しか達成していない。その2つを成し遂げれば、15日制以前の双葉山以来となる。

 優勝が見えてきたかと聞かれると「集中して」とだけ答えた。初優勝を飾った初場所のように最後まで集中していければ必然的に結果はついてくる。

 ▼稀勢の里の前回の荒鷲戦 今年1月の初場所3日目が初顔合わせだった。踏み込んで左差しとなった稀勢の里が右で抱えて出ながら右上手を取る。最後は引きつけて荒鷲を圧倒して3連勝とした

 ▼八角理事長(元横綱・北勝海)のコメント 稀勢の里は(腰が)重たいんだよね。この1年で粘り強くなった。なんとか打開しようとしている。

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