木村沙織 引退会見で涙「世界と戦うことは、もうないかな」

[ 2017年3月22日 14:32 ]

引退会見で花束を贈られ、笑顔を見せる木村
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 4度の五輪に出場し、12年ロンドン五輪で銅メダルを獲得した女子バレーボールの木村沙織(30)が22日、大津市の東レアリーナで引退会見をした。ファンへのメッセージの際には涙ぐむ場面があった。主な内容は以下の通り。

 ―3月5日から2週間近くが過ぎた。どのように過ごしていたか。

 「土曜日(25日)にオールスター戦がある。その練習をしたり、ご飯をつくったり、掃除したり、おうちで主婦をしていた」

 ―印象的な試合とその理由。

 「一つに絞るのは難しいけど、ロンドン五輪の準々決勝の中国戦は一番印象が強いかな。あの試合がなかったらメダルにはつながらなかったと思う。その1試合にみんながかけていて、試合中の一体感がすごかった。一番印象に残っている」

 ―ファンへのメッセージは?

 「世間の期待に、プレーがついていかないときもあったけど、ずっと応援してくれてありがとうございました」

 ―やりきったか。

 「はい。すっきりです」

 ―ピークでの引退だったのか、体力などの低下を感じていたのか。

 「ピークがいつかは自分でも分からない。今シーズンも前半は良くなかったが、後半に行くに連れて良い状態に持って行けた。動きはピークと変わらずにできたと思っている。思うようにできなくなってやめるというよりは、前ほど悔しいという気持ちがなくなったり、試合に負けてクソーというのがちょっと薄れてきたのかなというのがあった。アスリートである限り、勝負にこだわらないといけないが、気持ちが薄れたということで、引退を決意した」

 ―気持ちが薄れたのはいつごろか。

 「ロンドン五輪が終わった後にトルコに2シーズン行った。試合に出られないときも、絶対に出たいという気持ちになかなかならなかった。そのときにこんなんじゃダメだと思った」

 ―これからどんな家庭を築きたいか。

 「のんびりと、ほんわかと、温かい幸せな家庭を築きたい」

 ―後進の指導にあたる気持ちはあるか。

 「今は考えていない。第一線を離れて、ファンと同じ目線でバレーを観戦したい気持ちが強い」

 ―引退会見の場に立つ今の気持ちは。

 「バレーボールが今月で終わる。ほっとした気持ち。世界と戦うことは、もうないかなと思う。勝敗にこだわらなくていいということは安心している」

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2017年3月22日のニュース