有希V締め 自己最高総合2位!沙羅にまた勝った W杯5勝目

[ 2017年3月13日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子最終戦 ( 2017年3月12日    ノルウェー・オスロ、ヒルサイズ=HS134メートル )

伊藤有希の1回目
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 世界選手権銀メダルの伊藤有希(22=土屋ホーム)が聖地でも強さを見せた。130メートル、124・5メートルの合計258・7点で5勝目を挙げ、年間総合2位を確定させた。シーズン後半戦はW杯初優勝を挙げてから覚醒し、総合女王の高梨沙羅(20=クラレ)もしのぐ活躍ぶり。来季は初の総合優勝、さらに平昌五輪の金メダルも十分に狙える選手に成長を遂げた。高梨は127メートル、126メートルの合計251・0点で2位だった。

 霧の中からランディングバーンを視界に捉え、すくっと雪面に降り立った。勝利を確信した伊藤は「やった!」と叫び、こん身の力で右手を振り下ろした。「この特別な場所で勝てたことがうれしい」と喜びをかみしめた。

 19世紀から大会が開かれてきた聖地ホルメンコーレン。これまでの伊藤は苦戦が続いてきた。3季前に3位に入ったのが最高で、それ以外はトップ5も逃してきた。1回目に最長不倒の130メートルでトップに立ち、重圧のかかる2回目も安定した飛躍で全体1位。苦手意識も払しょくする勝ちっぷりだった。

 高梨に次ぐ年間5勝を挙げ、総合順位も自己最高の2位となった。17年に入ってからの16戦だけを見れば、伊藤が高梨の順位を上回ることの方が多かった。遠征前には「まだまだ遠い存在で目標にできるところにもない」と語っていた総合女王。来季はそれが現実的な目標になる。

 3年前のソチ五輪では7位入賞だったが、「結果としても、内容としても、もっと上を目指していた」と高梨と同じく悔し涙を流した。「来季はいよいよ五輪。しっかりトレーニングをして、より良いシーズンにしたい」。平昌の舞台で雪辱を果たすだけの実力が伊藤には備わった。

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2017年3月13日のニュース