野口連覇!27歳ボルダリング女王 二刀流“登り”調子

[ 2017年3月6日 05:30 ]

スポーツクライミング日本選手権リード最終日 ( 2017年3月5日    埼玉・加須市民体育館 )

<クライミング日本選手権リード競技大会>決勝、力強く壁を登る野口啓代
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 女子は野口啓代(27=茨城県連盟)が、2年連続6度目の優勝を飾った。上位3人が同じ高度で並ぶ混戦だったが、準決勝1位だった野口が戴冠。1月のボルダリング・ジャパンカップでは2位に終わったものの、リードで意地を見せた。20年東京五輪を見据え、今季はリードのW杯にも積極的に参戦する。男子は中野稔(33=広島県連盟)が制した。

 二刀流の決意を結果で示した。ボルダリングのジャパンカップは2位だった野口が、リードで6度目の日本一。「今季はボルダリングもリードも両方頑張りたいんで。優勝を目指していたのでうれしい気持ちと、完登できなくて悔しい気持ちもある」。海外仕様のルート設定だった今大会で27歳の経験を生かし、13歳・森や14歳・伊藤の挑戦をはね返した。

 W杯年間優勝の実績があるボルダリングが注目されてきたが、野口は小学生時代からリードの練習も継続。昨年、6年ぶりに出場したリードのW杯では2位に入った。今季は全8戦中5戦程度は参戦する予定で、「リードでも優勝したい」と気合十分。ボルダリングとリードでW杯を制すれば、日本人初の快挙だ。

 リード、ボルダリング、スピードの複合で実施される20年東京五輪は三刀流が要求される。「3種目の複合なのは、私にとっていい流れ。今季はボルダリングとリードを両立して、来年からスピードと合わせて3種目できる選手になりたい」。TOKYOまでの明確なルートが、女王には見えている。

 ▼リード スポーツクライミングの種目の一つ。コース途中にある金具にロープをかけることで安全を確保しながらホールド(突起物)のついた壁を登り、制限時間内に到達した高さを争う。最も上の金具にロープをかけると完登となる。壁の高さは12メートル以上で、今大会の制限時間は予選が6分、準決勝と決勝が8分。種目は他に、複数の課題に挑んで完登した壁の数を競う「ボルダリング」、登る速さを競う「スピード」があり、20年東京五輪では3つの複合種目で争われる。

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