有希VS沙羅 頂上決戦 5日LHとW杯最終戦で決着

[ 2017年3月5日 05:30 ]

宮様スキー大会ジャンプ女子ノーマルヒル ( 2017年3月4日    札幌・宮の森、ヒルサイズ=HS100メートル )

ノーマルヒル女子で優勝し、記者の質問に答える伊藤有希
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 前日から順延となったジャンプ競技が試技なしの1回勝負で行われ、女子は世界選手権銀メダルの伊藤有希(22=土屋ホーム)が99・5メートルの131点で優勝し、同銅メダルでW杯総合女王の高梨沙羅(20=クラレ)は97・5メートルの128点で2位だった。日本が誇る二枚看板による争いは、17年に入ってこれで7勝7敗の五分。5日のラージヒルとW杯最終戦となる12日のオスロ大会でエース対決の雌雄を決する。

 世界選手権メダリスト同士のつばぜり合いは、国内大会では際立っていた。茂野美咲(CHINTAI)が91メートルでトップに立ち、残るは伊藤と高梨の2人。まずは伊藤がヒルサイズに迫る99・5メートルの大ジャンプで軽々とトップに立った。続く高梨もわずかに及ばなかったが97・5メートル。「いい条件だったし、まずまずのジャンプができた」と明るい表情を見せた。

 失意の3位だった世界選手権から戻った高梨は多くの激励を受け、加えて「不調の原因が分かった」ことで前向きさが戻った。「点で捉えるのでなく全体でリズム良く」。踏み切りにばかり向いていた意識を変えた今大会は動きにスムーズさが戻ったという。「1本に合わせないといけないから集中してイメージもつくり上げてきた」と1本勝負もプラスに働いた。

 それでも上回れなかった伊藤に対しては「ずっとお手本となる先輩。一緒に女子ジャンプを盛り上げたい」と脱帽。伊藤自身は「自分は高梨選手みたいに高い技術をずっと維持できるわけでも、強い精神力があるわけでもない」と謙遜したが、最近の成績を見れば全く遜色はない。今年に入ってからの14試合、この日の勝利で高梨との順位比較は7勝7敗になった。実績でいえば断然高梨だが、勢いは伊藤にある。両者のエースの座を懸けた争いはシーズン最終盤、そして平昌までも続くテーマになる。

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