平尾さん“しのぶ”集い iPS山中氏「治せなくてごめんなさい」

[ 2017年2月11日 05:30 ]

平尾誠二氏をしのぶ「感謝の集い」の式典後、献花するファンら
Photo By 共同

 卓越したプレーと端正な顔立ちから「ミスター・ラグビー」と呼ばれ、昨年10月20日に53歳で亡くなった平尾誠二氏をしのぶ「感謝の集い」が10日、神戸市内で行われた。生前に親交があった著名人ら約800人が、ラグビー界を引っ張ったスター選手を懐かしんだ。

 2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長(54)は平尾氏と同学年。学生時代、ラグビーに打ちこんだこともあって意気投合し、食事、ゴルフをともにする良き友人だった。医学的見地から闘病生活を支え、死去する前日も病室で話をしたという。遺影に向かって「君のことを治すことができなくて、本当にごめんなさい」と無念の表情で語り掛けた。

 京都・伏見工高時代の恩師、山口良治氏=写真=は「君の遺影を前に弔辞を述べるなんて、夢にも思わなかった。親より先に死ぬな、という大事なことを教えてあげられなかった」と涙で声をつまらせながら、語り掛けた。

 会場には平尾氏が生前に愛用した手帳、香水、葉巻などが展示され、神戸製鋼でプレーした現役時代の映像も流された。

 ▼平尾氏の長男昂大さん 一瞬一瞬を全力で生きてきたので人生に何の悔いもないと言っていた。おおらかで、どんなときも前向きで、たくさんのことを父から学んだ。53年という短い人生だったが、ラガーマンとして幸せな人生だったと思う。

 ▼日本ラグビー協会森喜朗名誉会長 平尾さんが神戸で女子ラグビーの指導をしたことで、女子も盛んになった。これからの活躍を期待していたのに大変残念です。

 ▼サッカー元日本代表監督岡田武史氏 かっこええしラグビーうまいし、頭も切れる。天は二物を与えたと思った。ただただ、さびしいわ。

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2017年2月11日のニュース