スマイル6発首位発進!“氷上のスナイパー”久保ハット快勝

[ 2017年2月10日 05:30 ]

アイスホッケー平昌五輪女子最終予選第1日   日本6―1オーストリア ( 2017年2月9日    北海道苫小牧市・白鳥王子アイスアリーナ )

<日本・オーストリア>第2ピリオド、ゴールを決めて喜ぶ久保(中央)
Photo By スポニチ

 ベテランの活躍でスマイルジャパンが好スタートを切った。アイスホッケー平昌五輪女子最終予選第1日、2大会連続の五輪出場を目指す世界ランク7位の日本は、同11位のオーストリアに6―1と大勝。ベテランのFW久保英恵(34=西武)が3ゴールと活躍し、勝ち点3で首位に立った。10日は休養日で、11日に世界12位のフランスと対戦する。

 頼れるベテランが、平昌ロードを明るく照らした。オーストリアが1人少ない、日本のパワープレー中の第1ピリオド(P)17分21秒だ。34歳の久保は、チャンスを逃さない。浮田のロングシュートの軌道を巧みに変えた。先制弾に続いて2―1の第2Pに追加点を決め、第3Pにもダメ押し弾。「3点取れて良かった。大きな大会でハットトリックってなかなかない。いつ以来か、覚えていない」。記憶をたどれないほど久々の爆発だった。

 日本女子が4大会ぶりの五輪出場を果たしながら、5戦全敗に終わった14年ソチ五輪から3年がたった。4歳で始めたアイスホッケー。キャリアが30年に達する中、確かな手応えを感じている。「ソチからの3年は、今までで一番充実していた」。筋力測定では毎月、自己ベストを更新。かつて1、2回しかできなかった懸垂は今は14回、MAX50キロだったベンチプレスも今は68キロだ。「この年になっても、伸びしろってあるんですよ!」と笑う。

 北海道苫小牧市出身。ホームのリンクに熱心なファンが掲げた横断幕は、久保をこう形容する。「氷上のスナイパー」――。ロックオンしたゴールには、必ずパックを叩き込む。チームで2番目に年長の34歳だが、強靱(きょうじん)なフィジカルに加え、衰えない闘争心が進化を支える。「若い子には負けられないし、プレーで見せていかないといけないから」。初戦でチームメートの動きが硬い中、「私、あんまり緊張しないんで」と言う久保は別格の動きを披露した。

 11日にオーストリアがドイツ戦で勝ち点3、日本がフランス戦で勝ち点3を獲得すれば最終戦を待たずに平昌切符が決まる。「3点は出来過ぎな部分があるけど、1試合で終わらないように、残り2試合も得点に絡めるようにしたい」と気合を入れた久保は、既に1年後に思いをはせる。「ソチでは100%のパフォーマンスができなかった。リベンジできるのは平昌だと思う」。五輪での活躍に照準を合わせるスナイパーが、ゴールを量産する。

 ◆久保 英恵(くぼ・はなえ)1982年(昭57)12月10日、北海道苫小牧市生まれの34歳。中学3年だった97年に初めて日本代表に選出。10年に一度現役を引退したが、女子サッカーのなでしこジャパンが11年W杯を制したことに刺激を受けて現役復帰。13年のソチ五輪最終予選ではMVPに輝いた。ソチ五輪代表。所属は西武で太陽生命に勤務している。1メートル68、65キロ。

 ▼最終予選の試合形式 4カ国の1回戦総当たりで行う。試合時間は1ピリオド20分の3ピリオド。同点の場合は5分の延長戦があり、決着が着かなければ3人ずつのゲームウイニングショットで決する。3ピリオドでの勝利チームに勝ち点3、延長勝ちは同2、延長負けは同1、3ピリオドの負けは同0となる。勝ち点が並んだ場合は当該チーム間の勝敗で決める。

 ▼平昌五輪のアイスホッケー 女子は8カ国が出場。既に世界ランク上位の米国、カナダ、フィンランド、ロシア、スウェーデンと開催国の韓国の出場が決定。9〜12日に最終予選が行われ、C組はスイス、D組は苫小牧で4カ国ずつが参加。それぞれ1位の国が出場権を獲得する。

続きを表示

この記事のフォト

2017年2月10日のニュース