【間垣親方を悼む】主張貫く史上最強の「怖い顔」力士 ONとOFFギャップも

[ 2017年2月1日 09:00 ]

間垣親方死去

時天空(2015年1月13日初場所3日目撮影)
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 私の中では、史上最強の「怖い顔」力士だった。控えでの表情は朝青龍以上の凄みすら漂わせ、勝っても負けても支度部屋では腕を組んだまま眼光鋭くテレビを凝視していた。腰を引きながら話しかける若手記者の「壁」となり続けていた。

 コメントは少なかったが「主張」は貫く男だった。力士会では先頭に立って待遇改善を訴え、マスコミにも不満は投げかけた。八百長問題に揺れる2011年春。JR両国駅前で猛抗議を受けた。「偏った報道おかしい。ひどすぎるじゃないか」。公衆の面前で、鬼顔そのままに詰め寄られて、なだめるのに大変だった。

 半面、いたずら好きな一面も持ち合わせていた。08年のロス巡業。記者たちとアウトレットに出向く際、鉢合わせた高見盛(現振分親方)を強引にタクシーの助手席に押し込む「荒業」を披露した。パニックになるロボコップを尻目に、ほくそ笑む姿はまさに「ガキ大将」。「ON」と「OFF」のギャップが希代の個性派を際立たせた。

 一昨年秋、巡業の移動中に中古の自家用車を運転しているところを発見され、「格好いい自動車っすね」と皮肉たっぷりにからかわれたのが、私との最後の会話だった。その時見せた笑顔がもう見られないのは、残念でならない。 (元相撲担当、福島支局長・黒田健司郎)

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