ラグビー「シックス・ネーションズ」はなぜ面白いのか?ヤマハ発メンバーが魅力語る

[ 2017年1月29日 22:06 ]

15年のワールドカップ後にイングランド代表ヘッドコーチとなったエディー・ジョーンズ氏(右)(C)ゲッティイメージズ
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 2月4日からラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」が開幕する。ラグビーファン注目の「シックス・ネーションズ」はなぜ面白いのか、ヤマハ発動機の選手たちが南半球を中心に行われるスーパーラグビーとは異なる魅力を語った。

 「8万人が総立ちになって声を枯らす両国国歌の斉唱。この国に生まれた男子なら、絶対にあの場に立ちたいと思う。シックス・ネーションズの魅力は、この場面にすべてが凝縮されていると思う」そう言ったのは、ヤマハ発動機ジュビロの清宮克幸監督(49)だ。

 「すべてをかけて戦う姿が美しい。日本でいうと大学ラグビーのトーナメントで同じような空気を感じることができると思いますね。ラグビーの美しさ、勝ち負け関係なくすべてを出し切るという決意。スーパーラグビーにはない、南半球のテストマッチにはないものです。互いの国で隔年のホーム&アウェーで対戦するから、地元の人にとってはどの相手を迎えるのも2年に一度と言うことになる。迎えるホームの選手は、自分の生まれ育った村や町の英雄。そういう環境の中で試合が行われるんですね。まあ、最近は南半球のコーチが入ってきて、そういう伝統的な要素は少し薄れてきているようだけど」

 南半球のコーチ。その最たる存在は15年のワールドカップ(W杯)後にイングランド代表ヘッドコーチとなったエディー・ジョーンズ氏だろう。自国開催のW杯で予選プール敗退という屈辱をなめたイングランドの指揮官に就任し、わずか2ケ月で迎えたシックス・ネーションズで全勝優勝。6月の豪州遠征も3戦全勝、秋のテストマッチシリーズもそのオーストラリアを返り討ちにするなど全勝し、就任1年目は年間13戦全勝で終えた。「不思議なことじゃないですよ。力のある人間が、正しく強化すればこうなる。強くて骨格も大きくて、理にかなったラグビーをしているわけだから強くなるのが当然です。イングランド以外の残り5ケ国にとってはイングランドという目標ができたわけですから、楽しみなのはこれからです」

 シックス・ネーションズは観戦するだけでなく、選手やコーチングスタッフにとって、具体的な教材になる大会だ。ヤマハ発動機のコーチ兼司令塔のスタンドオフを務める大田尾竜彦(34)は「シックス・ネーションズは一番勉強になる大会です」と話す。「極端に言うと、スーパーラグビーはショー。すごい個人技、圧倒的な身体能力を見られる。フランスリーグTOP14も最近はそれに近づいてきている気がしますね。だけどシックス・ネーションズのチームは、南半球の身体能力の高いチームにどうやって勝つかということをいつも考えている。そういうチーム同士の戦いですから、非常に戦略性の高いラグビーが繰り広げられる。試合を見ていると『こういうことを考えてゲームをデザインしているんだなあ』という意図が伝わってくるし、日本のラグビー選手、特にゲームを作るスクラムハーフやスタンドオフにとってはものすごく勉強になる」

 スクラムハーフ矢富勇毅(31)はシックス・ネーションズのケルト系チーム、アイルランドがひいきだという。「とにかく見ていて楽しい。よく走るし、ボールを動かす。今のラグビーが向かっている方向を見せてくれるチームだと思う」。アイルランドは今年6月に日本代表と2試合を行う予定(会場は未定)。「どういうメンバーで来るか、楽しみです。自分自身、選手として対戦したい思いはもちろんあるけれど、一人のラグビーファンとしてもとても楽しみです」

 同じリーグを見るのでも、FWが見ると違う視点になる。ヤマハ発動機のキャプテンを務めるフランカーの三村勇飛丸(27)はシックス・ネーションズについて「男らしいラグビーに魅力を感じる」と話す。ひいきチームは、大田尾と同じくウェールズ。「昔のウェールズのディフェンスがすごかった。ただ、今のシックス・ネーションズはイングランドがひとつ抜け出している感じですよね。ファンとしては、早くイングランドとニュージーランドに戦ってほしい。今の世界ラグビーをリードする2強は、いったいどっちが強いんだろう?というところです」

 試合に臨む決意、強い相手に勝つための工夫。体を張ったタックルやアタック。ヤマハ発動機選手たちはシックス・ネーションズにはラグビーの根源的な魅力を感じさせてくれる要素があふれていると話した。イングランドが連覇するのか、連勝を止めるのはどこの国か。見どころの多い17年シックス・ネーションズ(WOWOWで全15試合生中継)は、間もなく開幕する。

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