トランプ大統領の入国禁止措置 NBAに余波、スーダン出身選手に慎重対応

[ 2017年1月29日 15:14 ]

バックスのソン・メーカー(AP)
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 米トランプ大統領が発令した難民受け入れ停止と7カ国を対象にした入国禁止措置が、NBAにも大きな影響を与える結果となった。

 スポーツ専門局ESPNが報じているもので、「現在、どのようなことを想定すればいいのかという情報の収集に努めている」と広報担当者が困惑しているのは、ウィスコンシン州ミルウォーキーに本拠を置いているバックス。同チームにはドラフト全体10番目に指名したスーダン(現・南スーダン)出身のセンター、ソン・メーカー(19歳)がいるためで、スーダンが同大統領の指定した制裁対象7カ国に入っているために慎重な対応を迫られる結果となった。

 メーカーは旧スーダンのワウ出身で4歳の時に家族とともにオーストラリアに移住。同国のパスポートも所持している。バックスは27日にカナダのトロントでラプターズとの試合を消化。28日には地元ミルウォーキーでセルティクス戦を行ったが、とりあえず米国への再入国の際には問題はなかったと言う。幸い今季は唯一カナダに本拠を置いているラプターズとの試合は残っていないが、プレーオフに進出した場合には対戦する可能性が残されているため、“トランプ制裁”の対象になるのかどうかが注目されている。

 レイカーズのルオール・デン(31歳)もメーカー同様にスーダンの出身。デンは2006年に英国籍を取得しているが、今回の制裁措置では米国での永住権カード(グリーンカード)を保有している対象国の居住者でも、いったん米国外に行った場合には“個別確認”が必要とされており、NBA選手がどうなるのは前例がないだけにきわめて不透明になってきた。なお禁止措置の対象国となったのはスーダン以外にイラン、イラク、リビア、ソマリア、シリア、イエメンの6カ国。この中でNBA選手を抱えているのは現在、スーダン(南スーダン)だけとなっている。

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2017年1月29日のニュース