エリミユ 決勝あと一歩 第2シード強豪相手にフルセット惜敗

[ 2017年1月26日 05:30 ]

全豪オープンテニス第10日 ( 2017年1月25日    オーストラリア・メルボルン )

女子ダブルス準決勝でマテックサンズ、サファロバ組と対戦した加藤(左)、穂積組(AP)
Photo By AP

 女子ダブルス準決勝で、穂積絵莉(22=橋本総業)加藤未唯(22=佐川印刷)組は、4大大会3勝を誇る第2シードのベサニー・マテックサンズ(31=米国)ルーシー・サファロバ(29=チェコ)の強豪ペアに2―6、6―4、4―6で惜敗した。日本人ペアとして初めての4大大会決勝進出はならなかった。男子シングルス準々決勝では、8年ぶりの優勝を狙う世界9位のラファエル・ナダル(30=スペイン)が、同3位のミロシュ・ラオニッチ(26=カナダ)を破って4強入りを決めた。

 穂積が涙を浮かべ、会見場はしんと静まっていた。シングルスは予選を勝ち上がって本戦初出場。ダブルスでは望外のベスト4。「苦しい時期も長かった。コーチにこれをやればいいと言われても結果が出ず、信じられない時もあった。頑張ってやってきてよかった」。時折声を上ずらせ、穂積は今大会の成果をかみしめた。ところが、

 「長いわ!」

 ちょっと良い感じのしんみりムードを、ぶしつけな関西弁が突き破った。穂積の後にコメントしようと隣で待っていた加藤だった。日本人ペアとしては歴代最高タイの4大大会ベスト4。テニスも性格も好対照ながら、明るく仲のいいエリミユペアを象徴するようなやりとりだった。

 準決勝も2人の持ち味を出し合い、昨年の全米オープンを制した強豪ペアをあと一歩まで追い詰めた。最終セット、4―4で迎えた第9ゲームが最大のチャンスだった。

 30―40のブレークポイント。サファロバのサーブに対して、穂積が「今日一番」という鋭いリターンを返した。サファロバは当てただけの緩い打球。それがネットに当たると、ぽとりと日本ペアの側のコートに落ちた。不運な失点もあり、結局2本のブレークポイントを生かせなかった。直後のゲームで弱点でもある加藤のサービスゲームを破られて勝負は決した。

 それでもシングルスではまだ十分な実績のない2人が、力を合わせて大舞台で輝いた。フェド杯日本代表の土橋登志久監督は「全ての選手の見本と刺激になったと思う。私たちも日本人ペアが優勝するのをサポートしていきたい」と日本人ペアによる初の4大大会制覇を期待した。「次は決勝のコートに立って優勝を目指したい」(穂積)、「いつか決勝の舞台で戦いたい」(加藤)。その思いは誰よりもエリミユが一番強く抱いている。

続きを表示

2017年1月26日のニュース