横審わずか10分「文句なし」全会一致 「安定した実力」評価

[ 2017年1月24日 05:30 ]

横綱審議委員会で稀勢の里の横綱推薦が全会一致で決まり会見する(左から)北村次期委員長、守屋委員長、大島委員
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 日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(守屋秀繁委員長=千葉大名誉教授)が23日、東京都墨田区の両国国技館で行われ、初場所で優勝した大関・稀勢の里を全会一致で横綱に推挙することを決めた。これによって第72代横綱昇進が確定。1998年の3代目若乃花以来、19年ぶりに日本出身横綱が誕生する。

 横審11人のうち8人が出席し、会議はわずか10分で終了した。横綱昇進を決めた過去6場所の勝率は74勝16敗で82%。同じケースだと朝青龍が80%で白鵬は66%、日馬富士は76%で鶴竜は73%と稀勢の里の安定感は抜けており、守屋委員長は「安定した実力」を評価。今後には「品格という面において、もっともっと磨いて、日本のみなさんに敬愛される横綱になってほしい」と期待した。

 春場所は17年ぶりの4横綱となるが、守屋委員長は「強い人が勝ち、弱い人が負ける。4横綱時代は長く続かない」とし「ある面、交代時期にきていると思う。若手がこの後、活躍してくれると思う。次から次に横綱、大関が誕生してくれることを願っています」と理想を描いた。もちろん、その旗振り役として期待するのは稀勢の里だ。

 この日で守屋委員長は任期満了。新委員長に選出された北村正任氏(毎日新聞社名誉顧問)は「強がりや乱暴な印象は好まれない。稀勢の里は感情を表に表さない人。横綱として本当の強さを伝えていってもらいたい」と話した。

 ▽横綱審議委員会が定める横綱推薦の内規(抜粋)

 1・横綱に推薦する力士は品格、力量が抜群であること。

 2・大関で2連続優勝した力士を横綱に推薦することを原則とする。

 3・第2項に準ずる好成績を挙げた力士を推薦する場合は、出席委員の3分の2以上の決議を必要とする。

 4・品格については、協会の確認に基づき審議する。

 ▼岡本昭委員(岡安証券最高顧問) 千秋楽で負けていたらアカンかった。あそこの踏ん張りが効いた。文句なし。

 ▼杉田亮毅委員(日本経済新聞社元社長) 昨日、白鵬に勝ったのが大きかった。

 ▼都倉俊一委員(作曲家) 負けないでほしい。少なくともあと4、5回は優勝してほしい。

 ▼勝野義孝委員(弁護士) 横綱になる資格は十分。横綱昇進前6場所の勝率は8割2分で朝青龍や白鵬よりも高い。

 ▼矢野弘典委員(産業雇用センター会長) こんなにうれしい日はない。少年少女の模範となる横綱に。

 ▼高村正彦委員(自民党副総裁) 苦労してなった人だから、昨年年間最多勝もとっているし、まだ強くなれる人だと思う。(出席予定も、会議には間に合わず)

 ▼大島寅夫委員(中日新聞社顧問) 我々の引退に稀勢の里が花を添えてくれた。(この日で任期満了)

 ▼日本相撲協会八角理事長(元横綱・北勝海) 去年1年間の成績を見て安定感が一目瞭然で(横審の)皆さん驚いていた。理事会が終わってから、また改めて言います。

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2017年1月24日のニュース