【松岡修造の目】尊敬の念がミス呼んだ 圭がフェデラーを強くしてしまった

[ 2017年1月23日 05:30 ]

全豪オープン第7日・男子シングルス4回戦   錦織7―6、4―6、1―6、6―4、3―6フェデラー ( 2017年1月22日    メルボルン )

フェデラーとの試合中、悔しがる錦織
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 残念とかを超えてしまった。ショック…。ジョコビッチが負け、A・マリーが負け、これほどチャンスな4大大会はなかったと思う。

 圭が勝てると信じて応援してきた僕からあえて厳しく言いたい。本当に強い人、4大大会に勝つ人は一度つかんだ流れを相手に渡したりはしない。圭は自分から流れを渡してしまう。どうしてなんだ?と昨年聞いた時も「そういう方向に流れちゃうんです」と言っていた。第1セットを取ったとはいえ、2ブレークを許してフェデラーが目覚めた。次第に圭の脳裏に「この人は大事な時に何かやってくる」「突然うまくなる」という尊敬の念が出てくるようになった。だから焦るし、ミスが出る。フェデラーは普通なのに、圭が相手を強くしてしまっていた。

 冷静に見れば、サーブが入っていない時のフェデラーに対してはチャンスがあった。サーブが入っている時のフェデラーには悔しいけど勝てない。そういう試合だった。ただし、頂点に立つことを考えれば、圭はまだ十分にタフなメンタルを持っていないことが明らかになった。練習も私生活も含め、自分を信じて貫き通せるテニスをどうつくるか。そのことの必要性をフェデラーは教えてくれたのだと思う。(スポーツキャスター)

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