【松下浩二の目】平野の初戦でV確信 「うまさ」に「力強さ」プラス

[ 2017年1月23日 08:15 ]

卓球全日本選手権最終日・女子シングルス決勝   平野4―2石川 ( 2017年1月22日    東京体育館 )

第5セット、石川佳純(右)と打ち合う平野美宇
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 【松下浩二の目】今大会の平野の1試合目(4回戦)を見た時点で、私は「優勝する」と感じた。どの選手よりも状態が良く見えたし、プレーに隙がなく、またミスもなかった。昨年と同カードとなった石川との決勝では、ラリーの主導権が常に平野にあった。展開を変えるのはまだ石川の方がたけていたが、ラリーでは平野の方が上だった。

 昨年と比較すると、平野はボールも速くなり、技術レベルの完成度も上がっていた。昨年までは、上手な選手というイメージだったが、この1年で力負けしないプレーを身につけ、自分から得点できるようになった。世界選手権で中国人を相手にしても、かなりの好勝負が見込める。

 水谷の9度目の優勝は、素晴らしいとしか表現のしようがない。試合の前半で苦戦していても、試合が進むにつれて相手のいいところを消していける。11点を先に取るため、4ゲームを先に取るためのマネジメントが他の選手と比較にならないほどうまい。リオ五輪のシングルスで銅メダルを獲った水谷に残された目標は、もう中国人撃破しかないだろう。 (五輪4大会連続出場、97年世界選手権男子ダブルス銅メダリスト)

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