水谷 史上最多9度目V!貫禄4連覇 Wの喜びリオ効果で観客増

[ 2017年1月23日 05:30 ]

卓球全日本選手権最終日・男子シングルス決勝   水谷4―1吉村 ( 2017年1月22日    東京体育館 )

優勝し雄たけびを上げる水谷隼
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 男子シングルスで、リオ五輪で日本選手初となるシングルスのメダルを獲得した水谷隼(27=ビーコン・ラボ)が4連覇し、史上最多の9度目の優勝を果たした。決勝では史上2組目の兄弟優勝を狙った吉村和弘(20=愛知工大)を4―1で退けた。

 ラリーを制した時の歓声が大きいのは、リオデジャネイロ五輪の水谷の勇姿がファンの記憶に刻まれているからだ。3ゲームを取って迎えた決勝の第5ゲーム、3―2。跳びながら打つ“エアジュン”を叩きこむと拍手が湧き起こった。強打の応酬の中での強さは、個人で銅、団体で銀を獲った昨夏のリオ五輪で証明済み。5―5からは6連続得点で試合を決め、攻撃的スタイルの吉村を圧倒した。

 「初めて優勝した10年前から、卓球がメジャーになってほしいという気持ちがあった。そのためには結果だと思っていて、リオで結果を出して、実際、男子もフォーカスされてうれしく思う」

 並んでいた斎藤清を抜く史上最多9度目の優勝もさることながら、競技環境に変化が出てきたことを喜んだ。最終日の観衆は今大会最多6100人。7日間2万7200人は昨年比1900人増の近年最多だ。日本卓球協会は「リオ効果でしょう」と説明。水谷の貢献度は大きい。

 観客席で息子を見守った両親も、過去8回の優勝との違いを感じている。母・万記子さんは「街を歩いていてもすぐ声を掛けられるようになったと言っています。男子も見てもらっているというのを実感しているようです」と話した。スタンドには「隼」と書かれたボードを持つファンが何人もいた。優勝が決まると「V9」を掲げた。

 11年連続で決勝に進み、これで4連覇。世界ランク5位の実力はずばぬけている。「早く強い若手が出てきてほしい」は毎度の決めゼリフだ。「現時点では東京五輪まで続けて、それ以降はそのときに考えたい」。それまで最強の肩書は誰にも渡さない。

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2017年1月23日のニュース