【村上武資の目】錦織、フェデラー戦勝利の鍵はフォアのストレートの精度

[ 2017年1月21日 08:08 ]

テニス全豪オープン第5日   錦織6―4、6―4、6―4ラツコ ( 2017年1月20日    オーストラリア・メルボルン )

錦織圭(AP)
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 錦織は唯一ブレークされた第2セット第8ゲームがなければ完璧だったが、抑えるべきは抑えての完勝だった。ベルディハを倒したフェデラーも強かった。スピードはさらに進化したように見えるし復帰できたことを純粋に楽しんでいるようだ。フェデラーのスピードとは球を捉えるタイミングの速さであり、仕掛けの速さでもある。

 この年齢でもトップにいられるのは先に仕掛けて、自分は動かずに相手を走らせているから。サーブ一本で決まるポイントも多く、この日の走行距離は相手よりも200メートル以上短い1171メートルだった。ポイント平均では7.76メートルで、ベルディハの9.21メートルと比べるといかに効率的か分かる(ラツコ戦の錦織は10.82メートル)。省エネ、低カロリーのテニスを錦織に対しても徹底してくるだろう。

 錦織はバックハンドやフォアハンドの逆クロスの精度が良く、効率的にオープンコートをつくれていた。鍵となるのはラツコ戦ではサイドに切れたり、ふかす場面の多かったフォアのストレートの精度になる。これがしっかりコントロールされてくると、フェデラーに対しても先に攻められる。凄いショットの応酬になるだろう。6対4で錦織有利と予想する。 (ロンドン五輪日本代表監督、WOWOW解説者)

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2017年1月21日のニュース