錦織 余裕の6年連続16強 格下いなした“省エネ”ストレート

[ 2017年1月21日 05:30 ]

テニス全豪オープン第5日 ( 2017年1月20日    オーストラリア・メルボルン )

錦織圭(AP)
Photo By AP

 男子シングルス3回戦で世界ランキング5位の錦織圭(27=日清食品)が6年連続の16強入りを決めた。世界121位のルカシュ・ラツコ(29=スロバキア)に6―4、6―4、6―4で、2時間11分でストレート勝ちを収めた。22日の4回戦では、8強進出を懸けて今大会で初めてシード選手と対戦する。世界1位のアンディ・マリー(29=英国)は、同32位のサム・クエリー(29=米国)を下して9年連続の4回戦進出となった。

 雨粒が落ちてきても波乱の気配は露ほども漂わなかった。錦織がブレークした第2セット第1ゲームの後、雨が降り始め、屋根を閉じるために短い中断があった。だが、大きな試合の流れはまるで変わらない。力の差はそれだけ大きかった。

 「今日はいいテニスができた。第3セットは少し苦しい場面があったが気持ちでも引かないようにした」。序盤からラリーで主導権を握り、第1セットを35分で先取すると、第2セットも第1ゲームでブレーク。直後に雨による中断があったが、再開後に再びブレークしてラツコを追い詰めた。「しばらく試合もやってないし、どんなテニスをするかも見ていない」と2年ぶりの対戦を前に警戒していたが、一発の強打を武器にする1、2回戦の相手に比べれば、くみしやすい相手だった。

 錦織相手に悠長に打ち合っても勝ち目はない。ラツコはネットプレーにドロップショット、ストロークでも素早いタイミングでの仕掛けに出て揺さぶりに出た。だが、その工夫も全て錦織が上回った。ドロップショットにリターンからのネットダッシュなどやりたい放題。さながら次戦に向けたスパーリングだった。

 これまでの昼間の試合ではなく、試合開始は午後8時頃。午前中に会場コートで一度感触を確かめ、5時からは練習コートでウオーミングアップ、さらに試合直前に会場に入る前にもう一度体を温め直した。単調な作業だが、それを飽きずに繰り返す。トレーナーのロビー・オオハシ氏との入念な準備が安定した試合ぶりにつながった。「テニスの感触、フィジカル、メンタルも準備はできている」。前日には優勝争いの本命とみられていたジョコビッチ(セルビア)が、世界117位のイストミン(ウズベキスタン)に敗れる波乱が起きた。だが、錦織は確実に強さを示し、順当に16強まで勝ち上がった。

続きを表示

2017年1月21日のニュース