大坂 全豪2年連続初戦突破 成長ゆえの苦戦 怖さ知り「緊張」

[ 2017年1月18日 05:30 ]

テニス全豪オープン第2日 ( 2017年1月17日    オーストラリア・メルボルン )

大坂なおみ(AP)
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 女子シングルス1回戦で、世界ランキング48位の大坂なおみ(日清食品)が2年連続の初戦突破を果たした。昨季は女子ツアーの最優秀新人賞に選ばれた19歳のホープ。開幕戦で痛めた左手首に不安を残していたが、世界183位のラクシカー・クムクム(23=タイ)に6―7、6―4、7―5で逆転勝ちした。19日の2回戦では世界9位のジョアンナ・コンタ(25=英国)と対戦する。

 誰しもが永遠に怖いもの知らずではいられない。怖さを知り、大人の選手になる。19歳はちょうどその途上なのかもしれない。「なんで緊張したのか全然分からない。1回戦だから?去年は緊張しなかったのに」。2度目の全豪、その初戦を苦しんで突破した大坂は、1年前との心境の変化に首をひねった。

 世界ランク127位だった昨年とはもう違う。相手の方がずっとランクは低く、迎え撃つ立場だった。「チャレンジというより、負けたくないと勝利を意識していた」。プレーより結果に意識が向くことで、知らず知らず体は硬くなった。開幕戦で左手首を痛めて途中棄権し、前週の大会も欠場。実戦形式の練習を再開したのは開幕2日前。痛みは消えたと言うものの、バックハンドを打つことへのためらいは動きを一層ぎごちなくした。

 第1セットはタイブレークで落とし、第2セット以降も一進一退の攻防。「絶対に負けたくなかった」と最終セットは第1ゲームでブレークされたが、すぐに取り返し、第7ゲームでは3本のブレークポイントをしのいだ。6―5で迎えた相手のサービスゲームを破り、2時間26分かけてやっと勝利にたどり着いた。

 コーチのデービッド・テーラー氏は今季の目標を「consistency(安定感)」だという。そのためにラケットのストリングもヨネックスの「エアロン・スーパー850」から同「レクシス130」に変更。天然素材のナチュラルも試したが、球にばらつきが出たため、ポリエステルに落ち着いた。ストロークに加え、サーブも反復練習を繰り返し、フォームの安定を求めてきた。

 もちろん持ち前の爆発力は健在だ。第1セットのタイブレークで放った時速198キロのサーブは、S・ウィリアムズ(米国)もしのぎ、今大会ここまでの女子の最速。「ランキングが上の選手と戦う方が簡単。勝つことを意識せずに戦える」。格上との2回戦の方がずっと戦いやすいはずだ。

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2017年1月18日のニュース