沙羅 最多53勝見えた!「ぜひ日本で」国内4連勝で記録並ぶ

[ 2017年1月11日 05:30 ]

W杯ジャンプ女子で今季5勝目を挙げて帰国し、記者の質問に笑顔で答える高梨沙羅=10日、羽田空港
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 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(20=クラレ)が10日、通算49勝目を挙げたドイツでのW杯から羽田空港に帰国した。14、15日に行われる札幌でのW杯に向けてすぐさま北海道入り。20、21日には蔵王大会も控えており、日本で4連勝を飾ると、男子のW杯最多勝記録の53勝に並ぶ可能性もある。高梨は日本のファンの前での記録到達に意欲を見せた。

 平昌(ピョンチャン)五輪まで約1年。遠征を経るごとに増えるテレビカメラの前で、女王は堂々と宣言した。「一番育ててもらった日本で(53勝目を)達成できる。ぜひそうなればいい」と自国でのW杯最多勝到達に意欲を示した。

 W杯の最多勝記録はグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の53勝。この日、約1年間の休養から復帰することが報じられたが、高梨が国内4連勝を飾ればシュリーレンツァウアーの大記録に並ぶ可能性が高い。歴史の浅い女子を男子と同列に論じることはできないが、それを誰より分かっているのは高梨自身。「比べるのはちょっと違う」「男子はもっとレベルが高い」とクギを刺しつつ「その記録を(日本で)見てもらえば自信になるし、モチベーションにはなる」と語った。並び立つ選手のいない現状では、それもまたいい刺激になっている。

 札幌、蔵王ともに飛び慣れたジャンプ台とあって、日本での高梨は普段以上に強い。日本開催のW杯では18戦13勝で勝率72%。これはW杯通算の62%(79戦49勝)よりも高い。過去3シーズンに限れば11戦10勝と圧倒的で、4連勝の可能性は十分だろう。

 昨年10月に20歳を迎えた新成人。成人の日のお祝いはドイツの空港でチームの仲間と「ソーセージとプレッツェルで」ドイツらしく済ませた。お酒については元々「おいしいと思って飲んだことはない」という程度だが、今回も「遠征中なので」とアルコールは口にしなかった。それもまた女子ジャンプを引っ張る第一人者の自覚の表れ。今季6戦5勝とずぬけた強さを持つ女王は「ベストジャンプを目指して調整していきたい」と記録にも記憶にも残る飛躍を目指している。

 ▼ドイツ2連戦での高梨 17年の初戦となった7日の個人第5戦は、初めて飛ぶジャンプ台だったが、1回目から首位に立って圧勝。降雪に見舞われた8日の個人第6戦も危なげなく優勝を飾った

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2017年1月11日のニュース