東福岡 高校3冠!前回覇者下し大会最多311得点記録

[ 2017年1月8日 05:30 ]

第96回全国高校ラグビー大会決勝   東福岡28―21東海大仰星 ( 2017年1月7日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<東福岡・東海大仰星>2大会ぶり6度目の優勝を飾り、歓喜する東福岡フィフティーン
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 東福岡(福岡)が前回大会覇者の東海大仰星(大阪第1)をを28―21で下し、2大会ぶり6度目の頂点に立った。CTB森勇登(3年)を中心とするバックス陣が4トライを奪い、藤田雄一郎監督(44)は就任5年目で2度目の頂点に立った。東福岡は昨春の選抜大会、7月の7人制大会と合わせた高校3冠を達成。また今大会5試合で311点を挙げ、2014年度に同校が記録した1大会最多得点記録の298点を更新した。

 2年ぶりの花園制覇。その先陣を切ったのは手負いのCTB森だった。前半19分。自陣10メートル地点。パスのこぼれ球を拾い上げると相手ディフェンス8人を軽快なステップでかわしながら約70メートルを独走。最後はすがりつく東海大仰星のWTB宮崎を引き剥がし先制トライ。「ボールを持ったら前に行くことしか考えなかった。痛みは忘れていた」と声を弾ませた。

 5日の御所実との準決勝で右膝を負傷。後半途中に退場した。翌6日の練習では走れず、やっと腫れが引いたこの日の朝も「ジャンプするとまだ痛みが走った」という。痛み止めの注射と飲み薬、さらに座薬まで使って強行出場。だがそんなハンデをみじんも見せず先制トライをもぎ取ると、2回戦で20本中18本のゴールを成功させた名キッカーぶりを発揮し、痛めた右足でコンバージョンも成功させた。

 平均体重100キロという超高校級FWの縦の突進に支えられ、4トライはすべてバックス陣が挙げた。「FWに走力があり、バックスもコンタクトプレーができ、チーム一体のラグビーが自分たちの強み」とロック箸本主将が胸を張る。「コンタクトでは負けない」という自信が昨年、準決勝で22―24と苦杯をなめた相手へのリベンジとなって実を結んだ。

 藤田監督は、花園3連覇を含め、4度の日本一に輝いた名将、谷崎重幸前監督にコーチとして仕えた後バトンを受けて5年目。博多の夏祭り、博多祇園山笠では自ら山笠を舁(か)く44歳は「1、2年生が多いチームだから次も楽しみ」という。決勝の先発15人のうち7人が2年生。今季国内勢には無敗を誇り、最近10大会で6度目の栄冠を手にした。黄金時代はしばらく続きそうだ。

 ≪15年度には東海大仰星が高校3冠≫東福岡は14年度以来の高校3冠達成。単独チームによる高校生の主要大会は、春の全国選抜大会(熊谷)、冬の全国選手権(花園)に加え、20年東京五輪の強化の一環として14年度から全国7人制大会が開催されるようになった。15年度には東海大仰星が高校3冠に輝いている。

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