【金哲彦の目】青学大総合力の勝利 アクシデント物ともしない強さ

[ 2017年1月4日 08:50 ]

第93回箱根駅伝 ( 2017年1月3日    箱根・芦ノ湖~東京・大手町 復路5区間10・6キロ )

肩を組みながらゴールを待つ青学大メンバー
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 7区の田村にアクシデントはあったものの、終わってみれば青学大の圧勝だった。2位早大に33秒差でスタートした6区の小野田が、逆に2分8秒の差をつけて田村につないだ時点ですでに勝負はついていた。今の青学大は少々のアクシデントがあっても物ともしない強さがある。それだけ他校に比べて総合力が高いということだ。

 総合力というのは選手個々の走力だけではなく、全国に巡らせたスカウト網、医科学面のサポートを含めた最先端のトレーニング、そしてメンタル面のフォローなど多岐にわたる。監督や選手はもちろん、彼らを支える周囲の人々の存在があってこその3連覇だということを忘れてはいけない。

 今回も青学大の選手たちは他校の選手に比べて体がよく絞れていた。ハードなトレーニングを乗り越えてきたのは一目瞭然だが、その割には苦しそうな顔もせずチーム全体がとても明るい。練習中は厳しく、グラウンド外では優しく。原監督が今の学生の気風に合わせたきめの細かい指導をしてきたのだろう。

 ただし、過去の優勝と比べると今回が一番タイムは悪いし、選手が疲れていたのも事実だ。他校もとりこぼしの区間をもう少し減らせれば、来年は付け入る隙があるのではないか。 (駅伝マラソン解説者)

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2017年1月4日のニュース