錦織圭 勝負の17年 漢字1文字では…4大大会「勝」

[ 2017年1月2日 07:45 ]

漢字1文字で「勝」と書き初めする錦織圭
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 今年の錦織は勝つ、勝つ、勝つ!プロ11年目のシーズンを迎えるテニスの錦織圭(27=日清食品)が本紙の単独インタビューに答えた。07年のプロ転向から10年の歩みを漢字1文字で振り返りつつ、今年の目標には「勝」の字をしたためた。初戦のブリスベン国際を経て、16日からは4大大会今季初戦の全豪オープン(メルボルン)が開幕。目標達成への第一歩が早くも始まる。

【進】 インタビューの部屋に入ってきた途端、錦織は面食らったように言った。「凄く厄介感が出てるんですけど…」。すぐに思い浮かぶようにと、テーブルには漢字の一覧表をぎっしり敷き詰めておいた。目に飛び込んだ文字の洪水に、さしもの世界5位も苦笑いだった。

 それでも、キャリアの振り返りはスムーズに進んだ。それだけ濃密な歩みだったのだろう。07年の「始」まりから紆余(うよ)曲折のプロ10年間。18歳で驚異のツアー初優勝を飾ったものの、右肘の手術で一度はランキングを失い、そこからまたはい上がった。復帰した10年頃の写真を見る錦織は少し照れくさそう。「まだこんなに若いんだ。ちょっとまだジュニアって感じ」。か細い青年はたくましく歩み続け、トップ選手への道を踏破した。

【覚】 「今の自分は10年前には想像できなかったところにいる。この3年ぐらいでやっとトップに近づいてきた。今はもう彼らと同じところで戦わないといけないと思っているが、昔の自分からしても変化は大きい」

 中でも14年の全米オープン準優勝による変化はひときわ大きかった。「周りの状況が劇的に変わった。声をかけられる機会やニュースで自分の名前を見る機会が急に増えた」。そうした期待やけん騒を受け止めて「やっといろんなことを覚悟できるようになった」と言えるまで約2年を要した。足場固めは完了。その上で今年の目標を「勝」に決めた。

【土】 「昔はクレーが凄く下にあったが、今はハードと同じぐらいに自信がついている」。芝で行われるウィンブルドンは少し劣るが、ハードコートの全豪と全米、そしてクレーコートの全仏の3大会には等しく自信がある。昨年はリオ五輪で日本テニス界96年ぶりのメダルを獲得したが、その熱狂と称賛もまだ通過点にすぎない。「もっと大きな大会で勝っていきたい」。繰り返してきたその言葉は今年こそかなうかもしれない。

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