福岡第一 2冠達成「最高の気分」 重冨ツインズも絶妙プレー

[ 2016年12月30日 05:30 ]

<福岡第一・帝京長岡>オールコートの守備で激しくマークする重冨周希(背番4)と重冨友希(背番5)
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 悲願の2冠を達成した。バスケットボール全国高校選抜優勝大会最終日は29日、男子決勝が行われ、高校総体王者の福岡第一が同2位の東山(京都)を81―78で下し、05年以来11年ぶり2度目の頂点に立った。第1Qは先行されたものの、第2Qに6連続得点で一気に逆転。双子の重冨周希、友希(3年)を中心に粘り強い守備から得点を重ね、後半勝負の東山を振り切った。

 笑顔の輪が広がった。福岡第一は第4Q、重冨ツインズが落ち着いてゲームをコントロール。最後は感情の高ぶりを表すようにボールを高く投げ上げ、試合終了のブザーを聞いた。「最高の気分。チームメート全員で優勝できて良かった」と周希。友希も「3年間やってきた練習が報われた」と喜びをかみしめた。05年以来11年ぶりのウインターカップ制覇。同校初の高校総体との2冠を達成した。

 大舞台で進化を見せつけた。ドリブルで切り込んでからのシュート「ドライブ」が得意な2人の司令塔が、あえて外角から積極的にシュートを放った。相手守備を翻弄(ほんろう)し、隙を突いた。周希は「思い切って打った」とニンマリ。第3Q終了間際に右手一本でロング3Pを沈め、会場を沸かせた。一方の友希も第2Qの競り合う場面で2連続の3P。「高校総体から3Pやジャンプシュートを練習してきて、最後の試合に出た」と胸を張った。

 地道な努力の成果だ。高校総体では徹底マークを受けた。自慢の突破力だけに頼らない、攻撃手段としてジャンプシュートや3Pに着目。全体練習が終わっても、個人練習で新たな武器を磨いた。周希は今月初旬の練習試合で成功率が悪いと、午後9時半に学校へ戻り約2時間も夢中でボールを放り続けたという。この日は3本の3Pを決め、「まぐれでも入ってよかった」とはにかんだ。

 2人は互いに「仲が悪い」という。普段から会話はあまりない。スポーツ用品などを扱うモルテンに務める父・尚徳さん(53)が小さい頃からボールに触れさせ、兄の影響もあり、小学2年でそろって競技を始めた。見た目はうり二つでも「性格は正反対。友希はおっとり。周希は負けん気が強い」と尚徳さん。練習中にプレーが合わないと口論になり、仲間の仲裁が必要なほどだった。

 それでも、やはり双子だ。優勝会見で、土居光(3年)に「寝相が全く一緒」と双子エピソードを暴露されると、そろって顔を赤らめた。言葉がなくても「以心伝心」で通じ合うパートナー。コート上では共鳴し、絶妙なパスから互いにチャンスを演出した。

 福岡第一に重冨ツインズあり。「高校総体とウインターカップと両方、優勝したことが一番うれしい」と周希。2人から展開された福岡第一の走る“高速バスケ”が2冠に導いた。

 ▽福岡第一 1956年に創立。バスケットボール部は04、09、16年に高校総体を制覇。選抜優勝大会も05年に制している。野球部は甲子園出場経験があり、88年夏に準優勝。主なOBは歌手の氷川きよし、プロ野球の陽岱鋼(ヨウダイカン)(巨人)ら。所在地は福岡市南区。

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