駒大・工藤 花の2区 広島出身“神ってる走り”で激戦制す

[ 2016年12月29日 10:30 ]

ガッツポーズする駒大・工藤
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 【箱根に駆ける・2】 駒大の“神”は山ではなく2区に現れるかもしれない。青学大の一色や山梨学院大のニャイロ、順大の塩尻ら有力選手が名を連ねそうな激戦区。駒大は工藤有生(3年)の投入が濃厚だ。

 昨年も花の2区を任され、1時間8分4秒で区間4位となった。今回も希望は2区だ。広島出身だけに期するものもある。「カープが凄く頑張って広島が元気になった。箱根駅伝でも広島出身だからと自分を見てくれる人がいるかもしれない。神ってる走りを見せたい」

 駒大はエースの中谷圭佑(4年)が故障明けで不安を抱えるだけに、二枚看板の工藤の走りがチームの浮沈を左右する。3月にはともに世界ハーフにも出場するなど、中谷とは常に競い合ってきた間柄だ。一緒に練習を終えればダウンしながら「今日は動きが良かったな」「これなら記録を狙えるな」などと言葉を掛けてもらっていた。だが、そんな中谷があまり陸上の話をしなくなった。

 「面倒見が良くて、よく絡んでくる中谷先輩がずっと静かだった。凄く悩んでいるんだなと感じた」。工藤自身も「練習で張り合える人がいなくて自分も物足りなさがあった」という気持ちはあったが、中谷の不在が工藤の自覚も促した。腰の疲労が蓄積して本来の走りができなかった夏場の不調を、練習前の準備や練習後のケアを入念に行うことで乗り越えた。

 「自分が最上級生になった時、“工藤さんがいるから”と頼りにされる存在になりたい」とチームを支える選手としての自覚は十分。気持ちと体がばっちりかみ合えば“神ってる”走りが見られそうだ。 (雨宮 圭吾)

 ◆工藤 有生(くどう・なおき)1995年(平7)9月5日、広島県東広島市生まれの21歳。姉の影響で中学から陸上を始める。広島・世羅高から駒大に進学。自己ベストは5000メートルが13分52秒97、1万メートルが28分23秒85。1メートル76、54キロ。

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2016年12月29日のニュース