明大中野 FW軸に27年ぶり花園初戦突破 モールで2トライ

[ 2016年12月28日 05:30 ]

第96回全国高校ラグビー第1日   明大中野31―10和歌山工 ( 2016年12月27日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<高校ラグビー和歌山工・明大中野>右中間を攻め込む明大中野TB・亀丸
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 第96回全国高校ラグビー第1日、東大阪市・花園ラグビー場で開会式と1回戦8試合が行われ、27年ぶり3度目の出場となる明大中野(東京第2)は和歌山工を31―10で下し、新潟工と当たる30日の2回戦に駒を進めた。自慢のバックス陣は精彩を欠いたがFW陣のセットプレーが安定。2つのモールトライを挙げ、“兄貴分”明大が11日の全国大学選手権3回戦で敗退した地で勝ちどきを上げた。今年度はノーシードの流通経大柏(千葉)は高松北(香川)に圧勝。2回戦では東のAシード桐蔭学園(神奈川)に挑む。

 こっちのメイジは強かった。前半5分にNo・8加藤がトライを挙げた後、膠着(こうちゃく)状態が続いて迎えた同23分。ゴール前5メートルラインアウトの絶好機を迎えると、フッカー西川が落ち着いてスローイン。モールを形成すると、大学と同じ紫紺のジャージーが一気にインゴールへなだれ込んだ。フランカー高原が押さえ、再びゲームを動かすトライ。1PG返されてハーフタイムに入ったが、後半も安定したFWを軸に3トライを追加。反撃を振り切った。

 「硬さがありましたけど、勝ってほっとしました。スクラムの安定が大きかったし、モールもまあまあ良かったと思う」

 勝田宗頼監督はハンドリングエラーが多発した試合内容に満足こそしなかったが、FW陣を称えた。スタンドには東京から400人の現役生徒が新幹線で応援に駆けつけ、さながらホームゲームのよう。「メイナカ」が一体感でも相手を圧倒した。

 普段から東京都世田谷区にある明大ラグビー部のグラウンドを借り、練習を行う。この秋もシーズン中にもかかわらず、明大の選手やコーチが労を惜しまず練習相手をこなし、指導してくれた。両者そろっての「正月越え」を目指していたが、大学は11日の3回戦で京産大に敗れた。それでも「負けた後も練習に付き合ってくれた。感謝しかないです」と西川。都予選後、左右にぶれやすかったスクラムで低く真っすぐ押す技術を叩き込まれた。FW陣の平均体重は86・8キロ。同96・5キロの東京や同96・25キロの国学院栃木には及ばないが、明大伝統の重戦車ならぬ“中戦車”で和歌山工を圧倒してみせた。

 都予選決勝では国学院久我山と19−19で引き分け、抽選で27年ぶりの花園切符をゲット。以来、周囲から「神ってる」とおだてられるSH今井主将だが「大学の選手、OB、久我山、いろんな人の思いを背負って戦いたい」と浮かれる様子はなかった。

 ▽明大中野 1929年(昭4)に私立中野中(旧制)として開校。1949年(昭24)、明大の付属校となって現在に至る。校風は「質実剛毅・協同自治」の男子校。現在の生徒数は1220人。ラグビー部は1980年(昭55)に創部。花園出場は88年度、89年度以来3度目で、最高成績は88年度の3回戦敗退。同校の主なOBに俳優の西田敏行ら。

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