【岡崎真の目】浅田の攻める姿勢 “高み”目指す意志感じた

[ 2016年12月25日 07:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第3日 ( 2016年12月24日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

<フィギュア全日本選手権>女子SPで華麗な演技を見せる浅田真央
Photo By スポニチ

 浅田は安全策のダブルアクセル(2A)ではなく、復調途上のトリプルアクセル(3A)を選択した。大きく跳ぼうとするあまり、回転にコンパクトさを欠いた失敗になった。結果はシングルアクセルとなり無得点に終わったが、その攻めの姿勢は評価したい。2Aを成功させていればあと4〜5点の上積みはあった。だが、あくまで高みを目指すという強い意志を感じさせてくれた。

 ステップやスピンのように練習量が明確に試合で表れる要素とは異なり、ジャンプは“水もの”の部分がある。朝の練習や直前の6分間で3Aが形になりつつあることを感じさせたように、手応えはあったのだろう。必要なのは試合で成功させるという成功体験だ。現在はジャンプに対する不安がプログラム全体にも表れてしまい、5項目の演技点に悪影響を及ぼしているように見えるが、一度3Aさえ成功させれば、相乗効果で一気に得点を伸ばすとみる。

 宮原の滑りは、GOE(出来栄え評価)で9人のジャッジが全ての要素にプラスをつけるという完璧なものだった。何より、大本命と言われる中で集中した演技ができる精神力が素晴らしい。GPファイナルから上昇ムードが続いておりエースの称号に恥じないスケーターになってきたと思う。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

2016年12月25日のニュース