高木美帆史上7人目の完全V 4種トップで大会記録更新

[ 2016年12月22日 05:30 ]

スピードスケート全日本選手権最終日 ( 2016年12月21日    明治北海道十勝オーバル )

全4種目を制して初めての総合優勝を決めた高木美帆
Photo By 共同

 中長距離エースの高木美帆(22=日体大)が史上7人目の完全制覇を果たした。初日2種目を制して首位に立ち、この日も1500メートルは1分57秒49の大会新記録、5000メートルは7分11秒58をマーク。4種目トップで大会記録を更新する合計162・431点で初の総合優勝を決めた。完全制覇は02年大会の田畑真紀以来、14年ぶり。男子はウィリアムソン師円(21=日本電産サンキョー)が史上4人目の3連覇を飾った。

 最終滑走の5000メートル直前。14年前に完全制覇した42歳の田畑が7分17秒93でトップに立った。ベテランの好走に身が引き締まった高木美がギアを切り替える。狙い通り34秒台でラップタイムを刻むと、6周目は33秒台に上げて一気に独走態勢。「今大会一番の滑りができた。去年より世界に近づいている実感がある」と胸を張った。

 スポーツ界最強の94年生まれ。プロ野球には大谷翔平、水泳界には萩野公介がいる。「(フィギュアスケートの)羽生君もそうだけど、そういう人たちを見ると自分はまだまだ。いい世代に生まれてきてありがたい」と同学年から受ける刺激が原動力となっている。

 15歳で10年バンクーバー五輪に出場した“元スーパー中学生”だが、14年ソチ五輪は代表権を逃した。悔しさをバネに努力を続けて、昨季まで一度も表彰台に上ったことはなかったW杯で今季は個人戦(1000メートル、1500メートル)2勝と復調気配だ。

 最強オールラウンダーを決める今大会と、最強スプリンターを決める全日本スプリント選手権(長野、28〜29日)を同年度に制覇したのは長屋真紀子と橋本聖子の2人だけ。年内最後のレースには今季W杯女子500メートルで出場4戦全勝の小平奈緒が待ち受けるが「チャレンジ精神で挑みたい」と言葉に力を込めた。

続きを表示

この記事のフォト

2016年12月22日のニュース